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『意味の深みへ 東洋哲学の水位』(2019)その2

井筒俊彦『意味の深みへ 東洋哲学の水位』岩波文庫、2019年第2刷 第2論文「文化と言語アラヤ識ーー異文化間対話の可能性をめぐってーー」 「文化とは、そもそもどのようなものであるのか。(省略)世のなかには、特に人間的経験の事象の場合、それを...
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『徒然草をよみなおす』(2020)

小川剛生『徒然草をよみなおす』ちくまプリマー新書、2020年 秋の夜は『徒然草』を読むに相応しい時です。尤も小川剛生氏は兼好を単なる遁世者の随筆とは見ていません。 まず、第一一段の「栗栖野(くるすの)」における兼好の意図は何かと問います。 ...
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『意味の深みへ 東洋哲学の水位』(2019年)

井筒俊彦『意味の深みへ 東洋哲学の水位』岩波文庫、2019年第2刷 コロナのせいで2月に買ってからすっかり忘れてしまっていた。問題意識も忘れたので、取り敢えず、課題である第7論文「意味分節理論と空海ーー真言密教の言語哲学的可能性を探るーー」...
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『『パサージュ論』熟読玩味』(1996)

鹿島茂『『パサージュ論』熟読玩味』青土社、1996年第2刷 読書する時間が少なくなったと感じるこの頃、鹿島茂氏の『『パサージュ論』熟読玩味』(青土社、1996年)を読む意味についてまず書いておかねばなるまい。 鹿島茂氏が「まえがき」で『パサ...
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『明智光秀と近江・丹波』(2019)

福島克彦『明智光秀と近江・丹波 分国支配から「本能寺の変」へ』淡海文庫63、サンライズ出版、2019年第2刷 「近江」という字と「淡海」の字で「シガモノ」と認め「ここ滋賀」で購入した。寝る前に読む本だ。 第一章 美濃・越前・京 第二章 光秀...
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『藤原行成』(1994年)

黒板伸夫『藤原行成』吉川弘文館、1994年、2011年第2刷 いつだったか、倉本一宏『藤原行成「権記」全現代語訳(上) 』(講談社学術文庫、2011年)を読んでいたら、藤原行成を知るには黒板伸夫『藤原行成』(吉川弘文館、1994年)を読むと...
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『美味しいコーヒーって何だ?』(2013)

オオヤミノル『美味しいコーヒーって何だ?』マガジンハウス 本書は焙煎家のオオヤミノル氏と編集者の岡本仁氏のインタビューでオオヤミノル氏を紹介した後、オオヤミノル氏と井ノ上達也氏、堀内隆志氏及び大坊勝次氏との対談が続く。 横山聡『京都・六曜社...
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『京都・六曜社三代記 喫茶の一族』(2020)

横山聡『京都・六曜社三代記 喫茶の一族』京阪神エルマガジン、2020年 京都本はもう買わないと書いていたにもかかわらず、萩尾望都氏の『ポーの一族』のようなタイトルの印象に惹かれて、手にしてしまった。 京都は三条河原町にある六曜社という喫茶店...
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『「維新」的近代の幻想』(2020)

子安宣邦『「維新」的近代の幻想』作品社、2020年 書誌情報 2018年4月から2020年2月までの大阪と東京での市民講座の内容を本にしたもの。全16章からなる。第15章までは市民講座で、第16章は北京大学での講演である。これもすでに6月の...
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『前方後円墳の時代』(2020)その2

近藤義郎『前方後円墳の時代』岩波文庫、2020年 第一章 弥生農耕の成立と性格 稲作がどのように始まったかは、考古学の分野である。本書は弥生農耕の生産手段の話から始まる。弥生初期の稲作が生産性の低い自然の湿潤低地を耕地といて利用したものであ...