2016-03

断片記憶

新選組研究の回顧と展望

『歴史読本 2004年3月号』を神保町で手に入れて、中村武生氏の「新選組研究の回顧と展望」を読む。爽やかな読後感を覚えた。「新選組」の読み方が分かる論考である。大河ドラマ「新選組!」の年に書かれたので少し古くなったが、「新選組」を読む者にと...
古都を旅する

安倍文殊院

週刊新潮の「とっておき私の奈良」荒俣宏氏の3回目は「安倍文殊院」だった。有名な渡海文殊像が東大寺の大仏殿を再建した重源による造立という。脇侍の維摩居士の作者が金峯山寺蔵王堂の蔵王権現の作者ということで、荒俣先生、修験道は続いているなあ。プラ...
ひととき

78「土手からちょっと」千宗室

ひととき 2016年04月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「土手からちょいと」というタイトルだった。シジュウカラやウグイスなど春先の鳥の話は秀逸だった。賀茂川の話になり上賀茂の橋のたもとで串揚げ屋をしている勲君の店の...
断片記憶

『銀鏡神楽』(2012)

濱砂武昭『銀鏡神楽 日向山地の生活誌』弘文堂、2012年第2刷銀鏡神楽を「しろみかぐら」とは読めなかった。東米良神楽である。隣に西米良神楽がある。宮崎県の日向山地の旧東米良村の一部が西都市に編入された。銀鏡地区の神楽の話が中心であるが、山の...
断片記憶

言葉の力

永井清彦『言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集』岩波現代文庫、2009年、2015年第3刷月刊監査役の水鏡第20回は「荒れ野の40年間」だった。去年の日本監査役協会監査役全国会議の参加者交流会のときT副会長がワイツゼッカーの1985年5月8日の...
古都を旅する

桜と日本人 江里康慧

月刊京都2016年04月号に「桜と日本人」は江里康慧先生だった。薄雲鈴代氏の取材記事である。江里先生は仏師の家に生まれたけれども、仏師にだけはならないと思っていたという。それが、松久朋琳氏に入門し、眼が開かれた。あまり生い立ちの話など聞いた...
古都を旅する

鳳閣寺

週刊新潮の「とっておき私の奈良」荒俣宏氏の2回目は「鳳閣寺」だった。修験道の中興の祖といわれる理源大師聖宝が開山となっている。黒滝村はちょっと遠い。荒俣先生、今回は修験道のようだ。プラス1は「高算堂」だった。金峯山寺の花供懺法会を始めたとさ...
断片記憶

『西米良神楽』(2009)

西米良村教育委員会編『西米良神楽』鉱脈社、2009年2015年10月4日に吾妻橋で西米良神楽の村所神楽のダイジェストを見た。と言っても6時間である。見た瞬間にdéjà-vuだと感じたのは、『西米良神楽』をINAXブックギャラリー(現LIXI...
断片記憶

上田正昭氏逝く

2016年3月13日上田正昭氏が亡くなった。88歳であった。最後に聴いたのは佛教大学四条センターでの講演「新考・京都の朝鮮文化」 (2013年5月25日)だった。体調を崩されていたにもかかわらず、笑いをとる上田節は健在だった。ご冥福をお祈り...
断片記憶

『京都発見1 地霊鎮魂』(1997)

梅原猛『京都発見1 地霊鎮魂』新潮社、1997年、2003年第15刷案内人・脚注執筆 西川照子写真 井上隆雄若王子から始まる。当時は、読んでも京都の地名はよく知らなかったし、社寺もその歴史を知らなかった。しかし、今は、京都に少し慣れてきたの...
断片記憶

代表的日本人 中江藤樹

人を発見することは、その人の生き方に関わる。私はどれだけの人を発見したのだろうか。書物を読むことは自分にとって事件である。ある言説が事件性を持つ時、その言説に出会うこともまた事件である。内村鑑三の『代表的日本人』は内村鑑三が発見した人が挙げ...
古都を旅する

金峯山寺

週刊新潮の「とっておき私の奈良」荒俣宏氏の1回目は「金峯山寺」だった。金剛蔵王大権現の御開帳は2016年4月1日〜5月8日の日程だ。このところ毎年御開帳されるのは国宝仁王門大修理勧進のためだ。荒俣宏氏が明治の廃仏棄釈を修験道潰しが真の狙いで...
断片記憶

『平安王朝の葬送 死・入棺・埋骨』(2016)

朧谷寿『平安王朝の葬送 死・入棺・埋骨』思文閣出版、2016年朧谷寿氏による平安王朝の天皇及び貴族の葬送の態様の分析をまとめたもの。既出論文に書下ろしを加えて平安王朝の天皇の葬送を網羅した。貴族の葬送との対比で皇権のあり方を見ていくことにな...
断片記憶

『紙つぶて 自作自註最終版』(2005)

谷沢永一『紙つぶて 自作自註最終版』文藝春秋、2005年外部倉庫にあるとばかり思い込んでいたが、本棚にあった。紙つぶてという書評コラム455篇が600字の発句集とすれば、自註500字は付かず離れずの微妙な位置で脇句として展開する。発句として...
古都を旅する

養源院

週刊新潮の「とっておき私の京都」芥川賞作家の藤野可織氏の4回目は「養源院」だった。京都の代表的な5つの血天井を一度に見て回ったとか。養源院、源光庵は序の口で正伝寺、宝泉院、聖興寺と回れば目的達成だ。山門右の白衣弁財天が気になるとはなかなか。...