朧谷寿『平安王朝の葬送 死・入棺・埋骨』思文閣出版、2016年
朧谷寿氏による平安王朝の天皇及び貴族の葬送の態様の分析をまとめたもの。既出論文に書下ろしを加えて平安王朝の天皇の葬送を網羅した。貴族の葬送との対比で皇権のあり方を見ていくことになる。最近読んだ遠藤慶太『六国史 ーー日本書紀に始まる古代の「正史」』(中公新書、2016年)では、逸文を拾っていたが、六国史に記載がないものは残念ながら比較できない。院政期は貴族の日記が記録となっている。
第2章摂関盛期の天皇の葬送は『平安京とその時代』で読んだ覚えがある。
天皇陵分布図(京都)は当面の目標でよいとしても、平城(奈良)、崇徳(香川)、安徳(山口)へ行くのはいつになるやら。朧谷氏のように全て写真を撮りたいものだ。
なお、引用するテキストは返点のある漢文のため、素養のない人には向いていないことに注意したい。
既出論文
『平安貴族の葬送の様態ーー平安時代の公卿の死・入棺・埋骨』思文閣出版、2001年
「摂関期の天皇の葬送の実態」(笠谷和比古編『公家と武士Ⅲーー王権と儀礼の比較文明史的考察ーー』思文閣出版、2006年
「摂関盛期の天皇の葬送」(朧谷寿・山中章編『平安京とその時代』思文閣出版、2009年
以下は書下ろしである。
第1章摂関初期の天皇の葬送
第1節 桓武天皇〜仁明天皇
第3章 院政期の天皇の葬送
第1節 後三条・白河・堀河天皇
第2節 鳥羽・崇徳・近衛天皇
第3節 後白河天皇
第4節 二条〜安徳天皇
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