2015-10

断片記憶

『いいねぇ〜 江戸売り声』(2012)

宮田章司、瀬知エリカ(画)『いいねぇ〜 江戸売り声』(素朴社、2012年)江戸売り声を仕立直やの二階で楽しむ会に行ってきた。瀬知さんの三味線と唄が階段の上から聴こえてきた。ちょっと遅れたか。上がると瀬知さんが画をPCに取り込んでビデオにした...
読書時間

『関口良雄さんを憶う』(2011)

尾崎一雄編『関口良雄さんを憶う』(夏葉社、2011年)夏葉社は『関口良雄さんを憶う』を復刻していた。山王書房の関口良雄著『昔日の客』を夏葉社が復刻したものを読んで、故人の追悼集も読んでみたくなった。北白川の善行堂に立ち寄ったときに72頁の小...
古都を旅する

無鄰菴

週刊新潮の「とっておき私の京都」料理家の高山なおみ氏の3回目は「無鄰菴」だった。母屋に上がり、お茶をいただいたあと、庭を眺めていると、何処へも行きたくなくなる気分に襲われる。この庭は母屋から眺めているに限る。プラス1は「仁王門 うね乃」だっ...
読書時間

『日本の庭』(1984)

立原正秋『日本の庭』新潮社、1984年『日本の庭』はほとんど「京都の庭」である。『日本の庭』は正伝寺から始まる。「いつのとしだったか、底冷えのする冬の暮方北山の正伝寺の山門を出てきたら、風が死んでいたことがあった」という書き出しからしてすで...
断片記憶

器の使い途

紅葉にはまだ早い南禅寺前のうつわやあ花音で新宮州三さんの漆角皿を買いました。店主と使い途を議論しましたが、何でもよさようです(少し投げやりモード)。ちらし寿司の取り皿、菓子皿、パン皿、飴入れ、柿の種入れ、升の代わり、鍵置使い途を議論してから...
断片記憶

『行きつけの店』(1999)

「行きつけ」とは山口瞳が食事や旅行の際にみせるスタイルである。何かの縁で入った店が気にいると何度も通うことになり、「なじむ」ことを好む態度である。食事や旅行の都度、違う店や旅館を選ぶことを志向するのとはおよそかけ離れた態度である。人には馴染...
ひととき

73「おばんざい」千宗室

ひととき 2015年11月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「おばんざい」というタイトルだった。「噛んだときにキュッという。噛み続けるとクシクシとほぐれ、繊維の裂ける響きが伝わる」。「おばんざい」をいただく音の描写が家...
散歩時間

円満井会定例能

久々に矢来能楽堂へ。村岡聖美さんのシテで敦盛を観る。前シテ、ツレ(足立祐香さん、林美佐さん)三人が直面だと華やかでよいなあ。秋は赤色にて終わる。柏崎真由子さんのシテで「黒塚」を観て矢来能楽堂を後にする。これで今年の円満井会定例能も納めとなる...
読書時間

『ケルトと日本』(2000)

鎌田東二、鶴岡真弓編著『ケルトと日本』角川選書、2000年文化を論じることに影響を与えた言説は数多くある。私は鶴岡真弓氏の「ケルト的なもの」の書き出しを読みながら、タイトルからして方法論を意識せざるを得なかった。しばらくして、サイードの『オ...
古都を旅する

北野天満宮

週刊新潮の「とっておき私の京都」料理家の高山なおみ氏の2回目は「北野天満宮」だった。御土居の下の紙屋川に架かる橋の欄干でポーズを決めている写真がなんとも羨ましい。もみじ苑が開苑すれば、老松の「大茶湯(おおちゃのゆ)」とお茶で紅葉を愛でるのが...