2015-09

ひととき

72「更けゆく秋の夜」千宗室

ひととき 2015年10月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「更けゆく秋の夜」というタイトルだった。彼岸花が疎らになり、秋桜にはまだ早い時季の話だ。これを載せるのが遅くなってしまい金木犀の花の香りただよう街となってしま...
読書時間

『神代史の研究』(1924)

津田左右吉『神代史の研究』(岩波書店、1924年、1938年第7刷) 郵便受に入りきらなかったので、不在連絡票をみてスマホで再配達を頼んだ。 受取った本は大正13年2月1日に第1刷を発行して、昭和13年2月15日第7刷と奥付にあった。しっか...
古都を旅する

何木塚

週刊新潮の「とっておき私の伊勢」作家の嵐山光三郎氏の2回目は「何木塚」だった。芭蕉の〈何の木の花とはしらずにほひかな〉の句碑があるのは祖霊社だ。この句は西行の〈何事のおわしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる〉を底に置いたものだ。 プ...
読書時間

『昔日の客』(2010)

関口良雄『昔日の客』(夏葉社、2010年、2014年第7刷) LE PETIT PARISIENでSさんに見せてもらったときは、よい装丁だと思ったが、インターネットで人気になっていることも分かった。 本を買ったり読んだりするが当たり前の生活...
読書時間

『呉越春秋 湖底の城 第六巻』(2015)

『呉越春秋 湖底の城 第六巻』(2015) 宮城谷昌光『呉越春秋 湖底の城 第六巻』(講談社、2015年) 仕事に関係した雑誌、Webや推薦図書を読むのに疲れたときに、宮城谷昌光氏の本などを本屋で見つけると、早速買って帰り楽しんで読む。それ...
古都を旅する

内宮

週刊新潮の「とっておき私の伊勢」作家の嵐山光三郎氏の1回目は「内宮」だった。御正宮の石段を背に立つ嵐山氏の晴れがましいお顔が素敵だ。式年遷宮の後はまだお参りしてないので見てみたい。 プラス1は伊勢うどんの「つたや」だった。コシのない極太麺は...
断片記憶

『レコードと暮らし』(2015)

田口史人『レコードと暮らし』(夏葉社、2015年) 夏葉社の最新刊を善行堂で手に入れたので読んでいる。高円寺「円盤」の店主の田口史人氏がレコードについて書いた冊子等をまとめたものだ。 ビールの時代は朝日ソノラマ(1959 〜79)のソノシー...
断片記憶

『小説吾妻橋』(1957)

善行堂で永井荷風の短編集を買った。山本店主から日記である『断腸亭日乗』を勧められた。岩波の7巻本だった。Kindle版のを持っていたが、置く場所があれば欲しいくらいお買得な値段だった。全集ものの相場が下がっているという。 短編集『小説吾妻橋...
断片記憶

昨日の客

不意に現れた男は、ビールを頼んだけで立て掛けたメニーを開こうともしなかった。オススメを書いた紙が灰皿の上に載せてあった。それをチラリと見ていたようだ。相方がビールとお通しを運んでいった。男はお通しを尋ねた。あの気の利かない子は厨房まで聞きに...
読書時間

『将棋一代』(1976)

木村義雄『将棋一代』講談社、1976年 本書は3部から成り立っている。 『私の三十五年』1939年 『将棋一代<私の五十年>』1952年 その後のエッセイ 木村義雄は東京の下町の下駄職人の次男に生まれたが、早く長男が亡くなったので長男として...