2014-04

読書時間

狛犬とは何か

私たちは身近なものを意外と知らない。狛犬も神社で見かけるが、どういうものであるか説明する知識を持っていない。色々と種類もありそうであるが、その先へ進む手立てはなく、それで済ませてきた。たくきよしみつ氏の『狛犬かがみ新装版』(バナナブックス、...
断片記憶

喫茶店という存在

村松友視氏は「喫茶店という存在は、日本の土壌の中で独特の役割を数かぎりなく果たしてきたのではなかろうか」(『銀座の喫茶店ものがたり』白水社、2011年)という。村松氏が言う役割とは、オルデンバーグの「サードプレイス」としての喫茶店の役割を思...
旅の時間

南山城の古寺巡礼

京都国立博物館の特別展覧会「南山城の古寺巡礼」を観てきた。以前、南山城へは行ったことがあり、懐かしさもあったのだが、まだ、廻っていない寺もあり楽しかった。企画室長の宮川禎一氏が図録に藤原宗忠の「中右記」から笠置寺参詣の記事を引いたのが面白か...
旅の時間

熊野御幸を史料で読む

朧谷壽氏の「京都史話Ⅳ」を京まちや平安宮で聴く。熊野御幸を史料で読むことの2回目だった。宇治田原の禅定寺へ禅定寺文書を研究するために20日間通った話や藤原信西の首塚の話がでたのは、京都国立博物館の「南山城の古寺巡礼」の展示を観てきたからであ...
読書時間

朧谷壽『藤原道長』(2007)を読む

朧谷壽著『藤原道長』(ミネルバ日本評伝選、2007年)を読む。当時の日記に藤原実資の『小右記』、藤原道長の『御堂関白記』、藤原行成の『権記』があり、『御堂関白記』は自筆本が14巻伝わっている(孫の師実の古写本12巻を含め国宝)。なお、『御堂...
ひととき

55 「旅の達人」千宗室

ひととき 2014年05月号の千宗室氏の京都の路地まわり道は「旅の達人」の話でした。移動が多くなる季節、家元も体調を整えるべく、備品を用意して旅にのぞみます。「本当の旅名人はどんな移動方法でも身一つで馴染み、宿に入ればそこの備品で凡(すべ)...
断片記憶

ビジネスライティングはこれで決まり

日本語を実用的に考えるためのブログとしてお勧めは丸山有彦氏のmy コンテンツ工房だ。丸山氏はマニュアル等のビジネスライティングの専門家である。失語症の方のリハビリテーションを通じて得た知見をもとに言語獲得から日本語を考えており説得力がある。
読書時間

『徳川制度(上)』(2014)は読ませる

『徳川制度(上)』(加藤貴校注、岩波文庫、2014年)を読む。一般書である。明治25年から26年に『朝野新聞』に連載された記事「徳川制度」等が元になっている。すでに四半世紀を過ぎ、江戸は遠くなっていたのか。『徳川制度』は三巻からなり、上巻は...
読書時間

洛中洛外図は謎解きに満ちている

瀬田勝哉『[増補]洛中洛外の群像』平凡社ライブラリー、2009年を江戸東京博物館の特別展『大江戸と洛中』を観て、図録と一緒に買い求めた。いつもなら解説から読むのであるが、最初の「馬二題」を読んでから、あとがき、解説と読む。内山直三氏への手紙...
読書時間

『京大探検部』(2006)はOBの寄稿本

京大探検者の会編『京大探検部【1956-2006】』新樹社、2006年京大探検部のOBで組織される京大探検者の会が京大探検部の創設50周年を記念して2006年に出版したもの。海外渡航制限が撤廃される1964年まで、学生の海外渡航は難しかった...