『徳川制度(上)』(2014)は読ませる

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『徳川制度(上)』(加藤貴校注、岩波文庫、2014年)を読む。一般書である。

明治25年から26年に『朝野新聞』に連載された記事「徳川制度」等が元になっている。すでに四半世紀を過ぎ、江戸は遠くなっていたのか。

『徳川制度』は三巻からなり、上巻は司法と市政、経済と市場に記事が編集されている。徳川政府と明治の中央政府の違いから話は始まる。

評定所を読んでいくと鳥居甲斐申渡書なども載せてあって面白い。

表紙の絵が面白いと思ったら、旗本やお目見え以上の士であって、昇進あるいは転役する幕府役人が、評定所で誓詞血判する絵であることが分かる。起請文の例などを読むと依怙贔屓するなと書いてあるではないか。

『徳川制度(上)』が明治の新聞記事にも関わらず格段に読みやすいと感じるのは、ルビが適宜削除されていることと、副詞・指示代名詞などで、現在は漢字表記しないのが通例のものをひらがなに改めたことだろう。

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