『古典再入門』(2006)

読書時間

小松英雄『古典再入門』笠間書院、2006年、2010年再版

初歩の人達も読める専門書

どうにもやばい、古文は読む気しなくなる。ちゃんと古典が読みたくなる。土左日記は通説のようにはもはや読めない。女文字と女性になってではえらい違う。女性からの視点がないのによくもそんな解釈をしてきたものだ。女文字という仮名で書いたのだ。当時の女性でも漢詩を書くし、女性に託して漢字文で書いてあれば通説の通りかもしれないが、女性だから仮名という短絡はいけない。女文字=仮名というのも貫之の用語のようで他に用例がないことも読み取れなかった理由かもしれない。

『丁寧に読む古典』笠間書院、2008年の方が先に読むことになったのだが、むしろ良かった。インパクトが大きいのが後になったからだ。これでダメな本を安心して処分できる。

谷沢永一氏が喝破したように、「そこいらの大系本など好い加減な注釈を読んだら、直ちに小松英雄の『徒然草抜書』(講談社学術文庫)によって顔の垢を落とす必要がある」(『書物耽溺』講談社、2002年)。

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