スサノヲの時代

断片記憶


「鎌田東二の霊性の京都学 74 スサノヲの到来展の場所の力」(月刊京都2015年11月号)

「スサノヲの到来展」の最後は渋谷の松濤美術館においてであった。鎌田東二氏が「スサノヲと場所の力〜渋谷の地と氷川神社とスサノヲのコスモロジー」と題した講演を月刊京都で振り返っている。

1.氷川神社と荒川との深い繋がり

埼玉中心に氷川神社が多い理由は何か。

それは荒川があるからだという。出雲の氷の川上に鎮座せる杵築大社を勅願で遷したのが氷川神社だという。氷川は「ヒカワ」であって「こほり川」ではない。「日川」「肥川」であると。荒れたる川の荒川は「ヒカワ」の名が付けられたという。荒ぶるスサノヲが祀られるに相応しいところてある。

2.氷川神社と渋谷との深い縁

渋谷は谷地であり、今は暗渠となっているが渋谷川が流れていた。鎌田氏は「渋谷川周辺は坂と谷の多く、そのさまはあたかも「ヤマタノオロチ(八岐大蛇)」のようである」といい、スサノヲを祀る氷川神社が勧請されたのは、ある意味で当然だと。

このあたりは説明になっていない(笑)。むしろ、鎌田氏と渋谷の深い縁を書いている。國學院大学の学生だった頃に、郵便局でスタンプを押してもらったの見て「渋谷東二」と押印されたのに驚き、「僕は『鎌田東二』です!」と叫んだエピソードや渋谷金王八幡神社に祀られている「渋谷金王丸」が祖先の「鎌田正清」とともに源義朝に仕えていたことなど。

注を見ると、鎌田氏は今の時代を「スサノヲの時代」と捉え、その特徴を次の三つに見ている。これは簡単には要約できない。鎌田氏の最近の研究の背景にある見方である。

①「いのち」の根源に立ち返っていく時代

②地球的・惑星的意識が共有される時代

③魔物・モンスターに立ち向かい、人々の心身変容をもたらすワザを開発・活用する時代

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