断片記憶 『坂口安吾』(1972) 奧野健男の『坂口安吾』(文藝春秋、1972年)はこう始まる。 「坂口安吾の「堕落論」を読んだとき受けたような鮮烈な衝撃を、ぼくは生涯において二度と読書から受けることはないであろう。それは十九歳のぼくを今まで縛っていた戦争期の倫理や観念やタブ... 2015.10.20 断片記憶
旅の時間 祇園にラスカル現る 「いる!」という声がした。 車の入らない路地が騒がしくなった。 「アライグマが瓦を投げるよ」。 猿蟹合戦じゃあるまいしと思っていると、ざわざわ。 店の外に出てみると、なるほど、アライグマが1匹塀の上から顔を覗かせていた。カメラで写しても動か... 2015.10.19 旅の時間
旅の時間 開化堂で茶筒を修理する 開化堂に来るのも久しぶりだ。もう茶筒を買うことはないと思っているが、見れば欲しくなるのが職人業というものである。今回は錻力(ブリキ)の茶筒の中蓋の修理を依頼しに訪れたのだった。 京阪電車の清水五条駅から鴨川に架かる五条大橋を渡って、河原町を... 2015.10.18 旅の時間
読書時間 『神界のフィールドワークーー霊学と民俗学の生成』(1999) 鎌田東二『神界のフィールドワークーー霊学と民俗学の生成』ちくま学芸文庫、1999年 1.どこから読むか いつもはあとがきから読むのだが、 「チ」のジレンマ あとがきにかえて 新版あとがき ふとまにかがみ・テイクⅡ 文庫版あとがき 解説 島薗... 2015.10.17 読書時間
古都を旅する 錦・高倉屋 週刊新潮の「とっておき私の京都」料理家の高山なおみ氏の1回目は「錦・高倉屋」だった。老舗ではないが、人気の漬物屋だ。酒場ライターのバッキー井上氏ではなく、スタッフの濱田千香氏が対応している写真が楽しい。『きょうの漬け物』(リトルモア、200... 2015.10.16 古都を旅する
読書時間 『大いなる謎 真田一族』(2015) 平山優『大いなる謎 真田一族』(PHP文庫、2015年) 一般書である。真田一族の謎を100の質問で明らかにしょうという意欲作である。文庫本なので読みやすい。気鋭の日本中世史家で、来年の大河ドラマ「真田丸」の時代考証を担当する著者の本を前に... 2015.10.13 読書時間
断片記憶 スサノヲの時代 「鎌田東二の霊性の京都学 74 スサノヲの到来展の場所の力」(月刊京都2015年11月号) 「スサノヲの到来展」の最後は渋谷の松濤美術館においてであった。鎌田東二氏が「スサノヲと場所の力〜渋谷の地と氷川神社とスサノヲのコスモロジー」と題した... 2015.10.12 断片記憶
旅の時間 八瀬赦免地踊を見る 八瀬赦免地踊は京都市登録無形民俗文化財である。何かの縁が重なって八瀬赦免地踊を観に行くことになった。私たちは車で国道367号線を八瀬に向かった。しかし、乗務員さんが要領を得ないのである。どうやら八瀬天満宮は知らないという。カーナビの検索もま... 2015.10.11 旅の時間
断片記憶 書物を解体するということ かつて『書物の解体学』(中央公論社、1981年)を吉本隆明が書いたとき、出来の悪い本は振ってみれば良いとした。バラバラとページが落ちてくる(笑)。しかし、書物を読むということ、著者の言説を理解することが知の格闘技だということをビジュアルに理... 2015.10.10 断片記憶
古都を旅する 和田金 週刊新潮の「とっておき私の伊勢」作家の嵐山光三郎氏の4回目は「和田金」だった。松坂に行ったら、一度は訪れたい松坂牛が食べられる店の本命だ。嵐山氏は二回目とのこと。羨ましい。金・銀・牧場の順に入りやすくなる。 プラス1は「一升びん 宮町店」だ... 2015.10.08 古都を旅する