川平敏文『徒然草 無常観を超えた魅力』中公新書、2020年
書誌情報
目次は章と節。参考文献(各章毎)と関連年表があるが、索引はない。
なお、引用文典一覧をwebで公開している。
閑山子LAB
本書は『徒然草』ついて著者が研究した内容を一般書で紹介しているものである(あとがき)。
第1章「つれづれ」とは何か
『徒然草』の「つれづれ」の解釈が近世と現代で違うことが述べられている。近世は「寂寥」、現代は「退屈」と解釈する傾向がある。どうやら「寂寥」と「退屈」の中間にありそうだ。正直、この話は小松英雄氏の『徒然草抜書 表現解釈の方法』(講談社学術文庫、1990年)を読んでいたので退屈だった。小松英雄氏のように「日くらし」についても濁るかどうか検討すれば面白かったが、そこまですると先行研究として引用せざるを得ないので出来ないのだろう。
近世の「寂寥」の解釈について、朱子学の影響を論じたことろは面白い。時代により解釈が変わるとすれば、現代の解釈もまた変わるかもしれない。
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