松岡正剛『多読術』ちくまプリマー新書、2009年第2刷
筑摩書房の編集担当者である高田俊哉氏が聞き出し役となって松岡正剛氏が答える形式となっている。
あとがきで松岡正剛氏は多読術について、「うんと柔らかい。もっと認知関係的で、かなりパフォーマティブで、プロセス的で、きわめて編集的」としている。
「読書というものを生活体験と連動させ」、
「本を「意味の市場」のなかに位置づけ」、
「読書行為を知的な重層作業というふうに捉えた」と言い換えている。
個々の概念についてここでは触れてない。本書を読むにあたっては不要と考えているのだろう。
松岡正剛氏は読書のプロセスについて、「人が何を読んでいるかはわかっても、人がどのように読んでいるかはわからない」(P8)と言っている。この指摘はわりと根本的で、読書のプロセスを説明する本があれば読んでみたい。
読書は松岡正剛氏が鮭とタラコのおにぎりのように本を受けとめることだと書いてあった(P22)。食読感覚ならツナマヨのような本があったって良くて、私はわりと鳥五目が好きだけれども、気分によってタラコのような本を選んで読んだってよいわけだ。後味の悪い本は読まなくなるな。
goinkyodo通信は読書感想文を書いているわけではない。本と出会った瞬間と再読では読み方が変わってくる。書くことで自分の好みがわかってくることもある。
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