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『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』(2019)

大木毅『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』岩波新書、2019年 ドイツ30年戦争で宗教を理由とした戦争の不毛さを経験したヨーロッパ人が、近代国家として国民を巻き込んだ戦争を行い、帝国主義的収奪戦争を戦っていた。ところが、ヒトラーによるイデオロギーによ...
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『英文解体新書』(2019)

北村一真『英文解体新書 ー構造と論理を読み解く英文解釈』研究社、2019年 本を読むとはどういうことか。母語で読むのと英語など他の言語を読む場合にどのような違いがあるのだろうか。英語を読む場合に、慣れてしまったwordsを別にすれば母語で処...
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日本的な文明批評の到達点

日本的な文明批評の到達点 島内裕子氏が吉田健一『東京の昔』(ちくま学芸文庫、2011年)に表題の解説を書いていました。 吉田健一の小説にはいつものように文学談義や文明論が出て来ますが、「閑居記」であるという本質を突いた指摘がされていました。...
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充たされた永遠の夕暮

充たされた永遠の夕暮 高橋英夫の本は持っていないが、吉田健一著『絵空ごと・百鬼の会』(講談社文芸文庫、1991年)に表題の解説を書いていた。 「吉田健一の時間感覚でことに目立っているのは、華やかに明るい夕暮が無限に続いているような個所である...
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『戦国京都の大路小路』(2017)

河内将芳『シリーズ・実像に迫る 012 戦国京都の大路小路』戎光祥出版、2017年 108頁の薄い本に目次、参考文献や年表の頁を除いてフルカラーの図版や写真が豊富です。このシリーズの『征夷大将軍・護良親王』(亀田俊和、2017年)を読んだと...
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『昭和とは何であったのか』(2008)

子安宣邦『昭和とは何であったか』藤原書店、2008年 子安宣邦氏の読書論である。書評は本が刊行された時分になされるものであるが、古書となった遥か昔の本でも出会った瞬間に邂逅は訪れる。 日本近代を批判的に検討する著者が、研究のための資料を求め...
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『現代支那論』(1939)

尾崎秀実『現代支那論』岩波新書、1939年、2018年第5刷 だいぶ印字がかすれている。刷数は重ねていないが、年月が経ったせいなのだろうか。戦前に書かれた本なので、漢字仮名とも旧漢字旧仮名遣である。少し経てば目が慣れてくる。 ジャーナリスト...
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『祇園祭と戦国京都』(2007)その2

河内将芳『祇園祭と戦国京都』角川叢書、2007年 現在の祇園祭をアップデートしたあとで、戦国時代の祇園祭の話に戻る。 本書は戦国時代の祇園祭のイメージが「権力に抵抗する民衆の祭礼」と受け取られていることについて疑問を投げかけた書である。この...
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『祇園祭と戦国京都』(2007)

河内将芳『祇園祭と戦国京都』角川叢書、2007年 思えば河内将芳氏の本は京都に行った時に買ってきた。ふたば書房京都駅八条口店の展示が見やすかったせいでもあった。 祇園祭というと、朧谷寿先生のお話を町家で聴くのが楽しみだったが、仕事が変わって...
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『京の路地を歩く』(2009)

高沢英子『京の路地を歩く』未知谷、2009年 著者の高沢英子氏の出身は伊賀上野です。伊賀でも路地を「ろおじ」と発音するのは関西弁というより京ことばのようです。伊賀は京ことばに近いとのことでした。京都人ではないので、京都の行事に関心を持って見...