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『法隆寺を歩く』(2009)その2

上原和『法隆寺を歩くと』岩波新書、2009年 著者85歳の法隆寺研究の集大成ともいうべき本であった。 フェノロサが夢殿観音の厨子を開扉させたのがいつかを巡って資料の突き合わせがされていた。和辻哲郎がフェノロサの遺著の記憶違いをそのまま使って...
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『日本の美術484 祭礼図』(2006)

佐藤康宏『日本の美術484 祭礼図』至文堂、2006年 風俗画を読み解く楽しみは伊原弘編『清明上河図』をよむ』(勉誠出版、2003年)から始まった気がする。東京国立博物館で特別展「北京故宮博物院200選」(2012年1月2日〜2月19日)に...
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『法隆寺を歩く』(2009)持って法隆寺へ行こう!

上原和『法隆寺を歩く』岩波新書、2009年 梅原猛『美と宗教の発見』(講談社学術文庫、1976年)の上原和氏の解説を読んで上原和氏の本を読みたくなった。『斑鳩の白い道の上にー聖徳太子論』(朝日新聞社、1975年)は見つけられていないが、本棚...
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『都市祭礼と中世京都』(2024)

河内将芳『都市祭礼と中世京都』法藏館、2024年 「序にかえて」を読む。 先行研究が列挙された「序にかえて」を読んでいくと、いちいち注を確認したくなる。河内将芳氏の書かれたものを中心に読んできたことがわかる。関係する論考を読みたくなったが、...
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『『吾妻鏡』の合戦叙述と〈歴史〉構築』(2022)を読み始める

薮本勝治『『吾妻鏡』の合戦叙述と〈歴史〉構築』和泉書院、2022年 薮本勝治氏の『吾妻鏡』論を読む。歴史研究者の批判的読書と文学研究者による批判的読書の違いはあるのか、それとも気のせいなのか。小松英雄を読むことで、文学研究者と言語学者の解釈...
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『天皇論「象徴」と絶対的保守主義』(2024)は子安宣邦先生の最終講義だった。

子安宣邦『天皇論 「象徴」と絶対的保守主義』作品社、2024年 第一章『古事記伝』の最初で最後の愛読者 子安宣邦先生が、小林秀雄『本居宣長』(新潮社、1977年)を取り上げたことで、しばらく小林秀雄を読むことになった。しかし、読みきれないま...
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『J・S・ミル 自由を探求した思想家』(2024)

関口正司『J・S・ミル 自由を探求した思想家』中公新書、2024年 J・S・ミル(1806-1873)の生涯を考える時、J・S・ミルは中流階級出身で学校教育を受けていない点が最初に挙げられる。父親からの私教育により精神形成が行われた。3歳か...
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『史料から広がる世界』(2024)

奈良大学文学部史学科監修『史料から広がる世界 奈良から世界へ 過去から未来へ』ナカニシヤ出版、2024年 第8章については、「2024年06月購入図書(その7)で外岡慎一郎教授の「史料としての書状の広がり」について書きましたので他のことに触...
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山のことは山の本に

安岡章太郎『利根川・隅田川』(中公文庫、2020年)で利根川の源流のところを読んでブログにメモしましたが、『日本登山大系3 谷川岳・奥利根』(白水社、1980年)が本棚にあったので、山のことは山屋に聞くのがいいので、ゼフィルス山の会の「奥利...
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『天地有情の哲学』(2000)は沁みる

伊藤勝彦『天地有情の哲学 大森荘蔵と森有正』ちくま学芸文庫、2000年 部屋の本の片付けで出てきた本であることは2024年05月書籍往来に書いた。大森荘蔵はほとんど読んだことがない。森有正の名前で読むことにしたのである。買った当時は大森荘蔵...