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『哲学の旅から』(1979)

上山春平『哲学の旅から』朝日選書、1979年 上山春平が自身の哲学の旅を振り返っている。「山城と国家論」は未完に終わったが、「徳川幕府の成立に先行する四世紀間の山城の歴史を、律令国家の確立に先行する数世紀間の古墳の歴史に対応させてみたい思い...
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谷川健一『白鳥伝説』(1985)

谷川健一『白鳥伝説』集英社、1985年 谷川健一の4部作といわれる本の1つ。どの順に読むのがいいかは普通は発行順だと思う。しかし、読み手の事情もある。『青銅の神の足跡』はすでに読んでいる。内容の細部は忘れたが、西日本の話だった思う。 4部作...
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『「近代の超克」とは何か』(2008)

子安宣邦『「近代の超克」とは何か』青土社、2008年第3刷 「近代の超克」は文學界の座談会「近代の超克」(1942年9月10月号)だけでなく、中央公論の座談会「世界史的立場と日本」(1941年1月号、4月号、18年新年号)を含めた広い概念と...
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『ボビー・フィッシャーのチェス入門』(1974)再読

ボビー・フィッシャー、東公平訳『ボビー・フィッシャーのチェス入門』河出書房新社、1974年、1995年第25刷 本の片付けをしていて出てきた懐かしい本。ページの裏に答えがある構成になっていて、最後まで読むと、本を逆さまにして続きが始まるとい...
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『近代の超克』(1979)版を読み返す

河上徹太郎、竹内好『近代の超克』冨山房百科文庫、1979年、2010年第11刷 松本健一の解題によれば、第Ⅰ部の知的協力会議 座談会「近代の超克」(1942年)から第Ⅱ部は竹内好の論文「近代の超克」(1959年)は「思想としての「近代の超克...
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『マキァヴェッリ 『君子論』をよむ』(2019)

鹿子生浩輝『マキァヴェッリ 『君子論』をよむ』岩波新書、2019年 戻ってくるところはマキァヴェッリである。この政治思想家は誤解され続けていると著者の鹿子生浩輝氏はいう。その原因は「マキァヴェッリの置かれていた歴史的状況や彼が取り組もうとし...
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『鮨屋の人間力』(2007)

中澤圭二『鮨屋の人間力』文春新書、2007年 四谷のすし匠の主人の鮨屋修行の本である。買ってから放置すること久しかった。 たまたま、本の片付けの日に、若者が本棚に見つけた。どうにか雪壁のように本棚の前に積まれている段ボールを一列分移動したの...
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『奈良の寺 ー世界遺産を歩くー』(2003)

奈良文化財研究所編『奈良の寺 ー世界遺産を歩くー』岩波新書、2003年、2007年第13刷 第一次大極殿は2010年平城遷都千三百年に復元したというから、この本の時は建設中だった。朱雀門はできていたので、近鉄京都線で近鉄奈良に向かうと朱色の...
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『古代日本の女帝』(1996)

上田正昭『古代日本の女帝』講談社学術文庫、1996年 講談社現代新書『女帝』(1971年)、のち『日本の女帝』(1973年)と書名を改めた。文庫化にあたり「天皇」の称の厳密化を考えたが、読者のことを考えて旧版のままにして、追記で補っている。...
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『翻訳とは何か 職業としての翻訳』(2001)

山岡洋一『翻訳とは何か 職業としての翻訳』日外アソシエーツ、2001年、2003年第3刷 翻訳とは因果なものである。このところ翻訳に関して少しばかり本を読んでの感想である。 職業翻訳家の山岡洋一氏(故人)の本の中から切り取った言葉が発端だっ...