『浄土』森敦

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「見て、みんなで泣いてもらったんで、お墓の人が喜んでひらひらと踊ってるわ」いくつとない土饅頭の向こうで、ほんとにチマチョゴリの女たちが踊っているのが見える。「唄も聞こえるじゃないの。まるでお浄土のようね」

著者が韓国に招待旅行されたときに、鐘路小学校の同級生と亡憂里で遊んだことが思い出として旅行と並行して語られる。その後、再会を果たした女性との遣り取りと死が淡々と語られる。彼女と違い西湖で遊んだことが思い出せない著者は、奥の細道への取材旅行が終わり、湖南の膳所の宿から、湖面の広がる琵琶湖を西湖に対比してこの小品は終わる。

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