『バースト!』(2012)

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本の山が崩れたときにアルバート・ラズロ・バラバシ著『バースト! 人間行動を支配するパターン』(NHN出版、2012)が出て来た。このところの私のツイートが突然増える(バーストする)理由が書いてあったのだが、アンディ・ウォーホル氏の記述に目が止まった。

折しも森美術館で「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」が開催中である。「永遠の15分」は気になるではないか。1968年にアンディ・ウォーホル氏はこう言った「未来には、人は誰でも15分間だけ世界的な有名人になれるだろう」。この名言がいちばん現実に近いのは今だろう。もっとも、ウォーホル氏は1970年代に実現したと考えていたらしいが。

一方、バラバシ氏は、Webサイトへのアクセスがランダムだとして、ラザフォードのトリウム原子の数が指数関数的な法則にしたがって減少すると予測したのに着目して、ポータルサイトのオリゴの訪問者のうち、興味のあるニュースをまだ読んでない人の数を予測する数式を導き出した。

「仮に、ある記事をまだ読んでいない訪問者のことを、まだ崩壊していないウラン原子だと考えてみる」。

「ラザフォードの変成法則が予測したとおり、未読の人の数はきわめて急速に、それこそ指数関数的に、減衰(つまり崩壊)することがわかった」。

アンディ・ウォーホル氏の15分仮説について、「サイトに掲載された各記事の「半減期」を直接的に測定できることに気がついた。すると残念な結果がでた。測定値はウォーホルの15分仮説を裏づけられなかったばかりでなく、私たちが予測した36分とも一致しなかった」。

バラバシ氏の計算では、「ある標準的な記事をユーザーの半数がクリックするまでにかかる時間は約2100分」「私たちの予言もウォーホルの洞察も、現実からは何桁も離れていたのだった」。

だからどうした、というわけではないが、人間行動を予測しょうとするエピソードは多岐にわたっていて面白い。

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