石川九楊『書く ー言葉・文字・書』中公新書、2009年
本は出会いである。先日、種智院大学の公開講座で梵字で金剛界の中台八葉院の仏の字を書くという経験をした。仏の梵字は必ず命点(みょうてん)を打ってから書き始めるというのだ。書も点画を打って始めるものだと思っていたが、書は筆の微粒子的律動から始まると石川九楊氏はいう。筆が紙に接する前に既に始まっている。この微粒子的律動としての筆蝕から書を書くということを考え抜いたのが石川九楊氏であった。
この本を読む時期がきたのか。本箱から抜き取ったときはそんなことを考えていなかったが、読み始めて、習字などと言っている自分の認識の程度に呆れることになる。
#石川九楊
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