『ヤマト国家の成立』(2010)を読む

断片記憶

和田萃『ヤマト国家の成立 雄略朝と継体朝の政権』文英堂、2010年

(書誌情報)

一般書。文英堂の新・古代史検証 日本国の誕生 全5巻のうち第3巻。監修 上田正昭、著者 和田萃 鼎談 和田萃・辰巳和弘・上野誠。参考文献、主な図版・写真一覧、古墳・遺跡索引がある。

現地をあるくこと

日本のアイデンティティを考えるために、神話と歴史を読む必要があることはわかっているが、どう読むかは難しい。神話は避けてきたような気がする。歴史にしても記述が正しいことを確認する作業が必要になる。『日本書紀』はまだ読めないでいる。論じた本はいくつか読んできたが、断片的である。現代語訳で読んだのも昔になった。そもそも『古事記』と『日本書紀』は別物という感じがする。古代が難しいのは考古学の世界でもあるからである。前方後円墳の成立時期も議論がある。箸墓古墳の時期はヤマト国家成立の時期でもある。この年代が専門家で分かれているので、確固たる土台に基づいた議論にならない。

奈良を何度か歩いていると位置関係が気になることがある。奈良盆地の幾つもの川は大和川に集約される。古墳のある位置も気になる。大概は盆地の縁にある。明日香村など奈良盆地の南端の狭い地域で古墳を作ってきた王権の力がどこにあったのかが見えてこない。

本書を手に取ったのは、稲荷山古墳出土の鉄剣の銘文が口絵にあったからかも知れない。整備された稲荷山古墳を見ることから始めたいと思っているが、その前に、本で知識を確認することが必要である。課題をもって現地に行くのでなければ、ただの観光である。

本書は和田萃(あつむ)氏の幼少期の話から始まる。奈良県磯城郡田原本町で育ったというから、地元の歴史である。昔は国土地理院の地図を飽きもせずに眺めていたが、最近は奈良の土地勘も薄れてきた。それでもYouTubeの飛鳥古代史チャンネルを視聴していると、現地を歩くことの大切さを感じる。体力も無くなっているので、動画を見るのは楽であるが、全体知にならないので、現地に足を運んでみることが必要であると思っていいる。

ヤマト国家の成立

『ヤマト国家の成立』(2010)

コメント

タイトルとURLをコピーしました