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『白』(2008)その5

原研哉『白』中央公論新社、2008年第四章推敲「推敲という言葉がある。推敲とは中国の唐代の詩人、賈島の、詩作における逡巡の逸話である」(P68)。「白い紙に記されたものは不可逆である。後戻りが出来ない」(P69)。「思索を言葉として定着させ...
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『白』(2008)その4

原研哉『白』中央公論新社、2008年今回は、言葉のコレクションをしている。線を引きながら読んでいるのだが、章や節は不要だったかもしれない。線を引かない節もあったけど、何かないかと探してしまった。本を読むことは、一様な頭の働きではない。本によ...
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『伊勢神宮と日本美』(2013)

井上章一『伊勢神宮と日本美』講談社学術文庫、2013年原研哉氏の『白』(中央公論新社、2008年)を読んでいて、伊勢神宮の建築様式の起源の話があった。そこで、デザイナーではなく、建築史家の話を確認することにした。ただ、癖のある井上章一氏であ...
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『白』(2008)その3

原研哉『白』中央公論新社、2008年第三章空白の意味「空白」は「未来に充実した中身がみたされるべき「機前の可能性」として示される場合が多く、そのような空白の運用はコミュニケーションに強い力を生み出す」(P38)。長谷川等伯 松林図屏風長谷川...
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『白』(2008)その2

原研哉『白』中央公論新社、2008年第二章しとしろしき触発力「紙はメディアである。しかし、メディアの本質は実用性のみならず、むしろそれが人間の創造性やコミュニケーションへの衝動をいかに刺激し鼓舞するかという点にある」(P14)。「紙は、混沌...
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『白』(2008)

原研哉『白』中央公論新社、2008年著者自装の本は表紙も白だし、ジャケットも白に黒い文字のモノトーンの世界である。4章からなる。第一章 白の発見第二章 紙第三章 空白 エンプティネス第四章 白へそして、英訳されている。英語の方が伝わる。Ca...
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『仏教の思想2 存在の分析<アビダルマ>』(1969)その6

桜部建・上山春平『仏教の思想2 存在の分析<アビダルマ>』角川書店、1969年、1978年第10版やはり、人間には休みが必要です。超高速で『ブッダ最後の旅』(岩波文庫、1980)を読み直したりするには絶対的な時間が足りません。第三章 ダルマ...
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『白百』(2018)

原研哉『白百』中央公論新社、2018年書誌情報読売オンラインに2015年3月24日から2017年3月28日まで100回掲載されたエッセイをもとにした単行本である。上田義彦氏の写真が4枚、関口尚志の写真が1枚納められている。原研哉氏は『白』(...
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『正倉院文書の世界』(2010)

丸山裕美子『正倉院文書の世界 よみがえる天平の時代』中公新書、2010年奈良国立博物館で正倉院文書を見たことがありました。戸籍を見ると、強い中央集権国家のイメージを受けました。だから、大津透氏の『律令国家と隋唐文明』(岩波新書、2020年)...
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『正倉院 歴史と宝物』(2008)

杉本一樹『正倉院 歴史と宝物』中公新書、2008年正倉院の創建は不明ですが、聖武天皇の薨去された天平勝宝八歳(756)以降と考えても、1,200年以上が経過しています。正倉院の宝物については、秋の正倉院展が奈良国立博物館で開催されたのを数回...