北條芳隆編『考古学講義』ちくま新書、2019年
ちくま新書の歴史講義シリーズのページを見ていたら、考古学講義があったので、手にした。考古学は捏造事件の影響もあって、関心が薄れていた。このちくま新書歴史講義シリーズは他に古代史講義、中世史講義、明治史講義、昭和史講義、平成史講義があり、現在、刊行途上の新しい通史といったところである。参考文献が分野の基本書を取り上げているのでありがたい。それにしても森浩一先生の本が参考文献に見出せなかったのは寂しかった。
石川日出志氏の『農耕社会の成立』(岩波新書、2010年)もけっこう気合が入った本とみていたので、図らずしも読み比べすることになった。本としての使い易さ、索引や記述の一貫性を考えると、後者だが、トピックの面白さは前者となる。後者を読んで、前者を読むのはやはり正解だと思った。トピックだけで全体像を知るのは難しい。
この後、基本書に進むかは分からないのが、私の読書である。何人かの執筆者の文章に慣れたので、そのあたりから、本物かどうか探っていくことになる。気に入れば、出る本を買うのが私のやり方。自分が読むに値する人の本がまとまってくる。本は多いが、著者は厳選される。本は楽しむものなので、相性の良くない本に拘ることはない。興味本位で行く。
#考古学
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