大川裕弘『京都 美の気配』ピエ・ブックス、2007年
本書は「折節の韻律」(『婦人画報』1993年連載)と「俵屋の月次」(『婦人画報』2000年連載)で掲載された写真を中心に構成している。
俵屋旅館の室礼を撮った写真集を見ていると、俵屋の気配が伝わってくるようだ。この本は三冊買った。大川裕弘氏は俵屋を撮るために何年も通ったという。撮影は時間との戦いだ。撮影日記を見ると長時間露光で撮っているものがある。
私も俵屋に泊まったことがある。この本がなければ泊まろうとは思わなかったかもしれない。
庭も室礼も見事であった。その頃は、観光もしたかったが、今なら早めに着いて、一階の奥のライブラリーで本をめくっていたい気がする。京都も踊くらいしか用がなくなったが、その芸妓・舞妓さん達も卒業していって、私だけが取り残された。
写真を見ていて衣更をしていないことに気がついた。リビングの本箱の中身を京都のものに入れ替えて、団扇を飾ることにする。彼女達に会えない初めての夏になった。
#京都
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