中澤圭二『鮨屋の人間力』文春新書、2007年
四谷のすし匠の主人の鮨屋修行の本である。買ってから放置すること久しかった。
たまたま、本の片付けの日に、若者が本棚に見つけた。どうにか雪壁のように本棚の前に積まれている段ボールを一列分移動したので、本棚一竿分が見えたのだった。タイトルが気になったのであろう。コンサルタント同様、鮨屋は「対人間」の商売であって、自分をカウンター越しにお客に「さらす」ことで成り立つ特殊な商売である。一貫ごとに職人が握って客に手渡す。その意味でバーと同様に「人間力」の修行の場であるから、若者が注文もできずに戸惑うのも無理はない。大人の世界なのである。言葉にならない仕来りや文化を理解しなければ、いつまでたっても居心地は良くならない。神田の鮨屋に行きたくなった。
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