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『日本の紙』(1967)

寿岳文章『日本の紙』吉川弘文館、1967年、1978年第4版 寿岳文章の文体が古いという話を石川さんと旬菜佐とうで酒を飲みながらしていた。若い世代には読みにくいだろうという話だ。漢語を遣わなくなったことが大きい。我々が読んできた本は古い時代...
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『知の編集工学』(2001)

松岡正剛『知の編集工学 情報は、ひとりでいられない』朝日文庫、2001年、2019年第6刷 書誌情報 1996年に朝日新聞社で刊行したものを文庫化した。山口昌男氏が解説している。 少し古くなったが、松岡正剛氏の方法論なので、ここで確認してお...
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『仏典はどう漢訳されたのか』(2013)

船山徹『仏典はどう漢訳されたのか スートラが経典になるとき』岩波書店、2013年 書誌情報 「本書は、筆者がこれまでに発表してきた論文や概説を基に、漢訳仏典の特徴をさまざまな視点から整理した概説である。漢訳の特徴に興味を抱く一般読者、学生、...
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安藤礼二『空海』(『群像』2021年07月号)

第2章「虚空」 1 虚空蔵 「なぜ、室戸の岬であり、虚空蔵菩薩であったのか。それを理解するために、まずは室戸の岬を実際に訪れてみなければならない」。 室戸岬に行くことを死ぬまでにしたいことの101に入れることにする。 室戸岬の描写は地球物理...
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『精神と自然』(2022)その2

グレゴリー・ベイトソン、佐藤良明訳『精神と自然 生きた世界の認識論』岩波文庫、2022年 Iーイントロダクション 読んでいて、文法の話が出てきた。意味がよくわからなかった文章があった。ある意味でそういう文章だらけであるが。 「みなさんも学校...
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『平安京の下級官人』(2022)

倉本一宏『平安京の下級官人』講談社現代新書、2022年 通勤時間に読む気楽な本である。 例によって一次資料だけで論じる方針が書いてあった。もっとも、史料は上級貴族が書いたものしか残らないので、貴族から見た下級官人の振る舞いということで、バイ...
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安藤礼二『空海』(『群像』2021年04月号)

安藤礼二『空海』(『群像』2021年04月号) 第1章「仮名」 1 仮名 ここでは、『三教論』が扱われる。空海の『三教論』は『三教指帰(さんごうしいき)』と『聾瞽指帰(ろうこしいき)』が知られる。以前に読んだのは『聾瞽指帰』だったのかも知れ...
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『唯識・華厳・空海・西田 東洋哲学の精華を読み解く 』(2021)その2

竹村牧男『唯識・華厳・空海、西田 東洋哲学の精華を読み解く』青土社、2021年 第一 唯識の哲学(一)事的世界観としての唯識思想 唯識についてだいぶ記憶があやふやになっていた。 世界は諸行無常である。 世界はもとより刹那滅である。 「その根...
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安藤礼二『空海』(『群像』2021年01月号)を読む

安藤礼二『空海』(『群像』2021年01月号) 序章「即身」 1節 「なぜいま空海なのか。」と安藤礼二氏は問うことから始めた。そして、「空海とは、次に掲げる二つの「頌」を残した人物ということに尽きる」という。 五大皆有響 十界具言語 六塵悉...
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『精神と自然』(2022)

グレゴリー・ベイトソン、佐藤良明訳『精神と自然 生きた世界の認識論』岩波文庫、2022年 書誌情報 本書は翻訳者の佐藤良明氏が1982年に思索社から刊行したが、版元の倒産が二度あって今回の岩波書店で三度目の刊行になったという。『精神の生態学...