日本史史料研究会監修、竹間芳明『戦国時代と一向一揆』文学通信、2021年
一向一揆側のことはよく分からない。どうしても戦国大名側から見てしまっていた。
本書は4章からなり、各章は宗主毎になっている。
第1章蓮如の時代ーー戦国時代の幕開け
第2章実如の時代ーー宗主による戦闘指令の始まり
第3章証如の時代ーー本願寺教団の内紛・本願寺焼亡
第4章顕如の時代ーー戦国末期の争乱と大坂退去
浄土真宗中興の祖と言われる蓮如について、その思想は以前に見てきたが、戦国時代において、山門との関係は法華宗と異なり、延暦寺の末寺となっていった。
顕如の時代は織田信長との石山戦争である程度の知識はあったが、実如、証如は知らなかった。実如が一向一揆を戦闘に向かわせたことが書いてあった。
証如の時代は宗主の外戚が力を持つことにより、宗主の代替わりで外戚の力関係が変動することから本願寺教団の内紛が発生する原因が構造的にあったことを理解した。
湯浅治久著『戦国仏教 中世社会と日蓮宗』(吉川弘文館、2020年)を読んで一向一揆との違いを確認したくなる。
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