『『教行信証』を読む』(2010)を読み直し始める(その5)

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山折哲雄『『教行信証』を読む 親鸞の世界へ』岩波文庫、2010年

第五章 未解決の課題 ー「証」から「真仏土」へー

「親鸞は『教行信証』の冒頭、すなわちその「教」巻の書きだしのところで、浄土真宗の教えでは、往相と還相の二種の廻向を説くことが基本で、まずは往相について論ずることからはじめよう、と言っている」(p.165)。

「教」「行」「信」「証」と往相廻向の話がほとんどで、「証」の卷の中間で還相廻向の話となる。山折哲雄氏は往相と還相の語る部分に著しい不均衡が生じていると言う。なにより「阿闍世逆害」の「悪人往生」の問題が未解決であると言う。そして、「証」卷のあとに「真仏土」と「化身土」二巻が続くのである。「「真仏土」とは善き人間(菩薩のような人)がおもむく浄土のこと、それにたいして悪しき人間(阿闍世のような人)がおもむくべき浄土が「化身土」」(p.178)であると親鸞は説く。これは往相の話である。「還相論が陥没する」(p.177)と山折哲雄氏は言う。浄土へ行って還ってくる話が、二種類の浄土の話になってしまった。

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