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『埋もれた巨像』(1977)

上山春平『埋もれた巨像 国家論の試み』岩波叢書、1977年、1978年第2刷 本箱を整理していて出てきた本である。藤原不比等をテーマにした番組を見たので、確か、あったはずと連休に探したのであった。パラフィン紙が黒変してパラパラと落ちるので、...
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軽佻浮薄の勧め

谷沢永一『読書人の壺中』冬樹社、1978年 書誌情報 目次はあるが、まえがき、あとがきはない。これは谷沢永一の姿勢であるからよいとして、谷沢永一の読書論が最初に展開されるが、目次からは読み取れない。後続の書評のスタイルとは違うレイアウトのた...
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『チョコレートの世界史』(2010)

武田尚子『チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』中公新書、2010年、2020年11版 川北稔氏の『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書、1996年)は砂糖を通して世界システムを論じていた。こうした観点では、角山栄氏の『茶...
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『考えるヒト』(2015)

養老孟司『考えるヒト』ちくま文庫、2015年、2021年第2刷 通勤時間に読んできたが、本書は、『唯脳論』(1989年)の解説に近いものであるという(p.211)。脳と意識がテーマとなっていた。 第1章 脳は何をしているのか 第2章 脳と心...
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『大政所と北政所』(2022)

河内将芳『大政所と北政所ーー関白の母や妻の称号はなぜ二人の代名詞になったか』戎光祥選書ソレイユ、2022年 書誌情報 詳細な目次、参考文献、関連年表があり、索引はない。選書という一般書である。 豊臣秀吉と母と正妻に焦点を当てた論考である。副...
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『シリーズ歴史総合を学ぶ①世界史の考え方』(2022)

小川幸司・成田龍一編『シリーズ歴史総合を学ぶ①世界史の考え方』岩波新書、2022年 歴史とは何かということを考えると、「「歴史叙述」がどのような営みによって提供されるのか」(ii)という問いに行き着く。 成田龍一氏があとがきに書いていた。 ...
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『解剖学教室へようこそ』(2005)

養老孟司『解剖学教室へようこそ』ちくま文庫、2005年、2021年第17刷 養老孟司の話は解剖から始まって、心とからだに及んで終わりとなる。趣旨は一貫しているように感じた。 南直哉氏が解説を書いていた。四字熟語が出てくる。 養老孟司氏は「事...
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『モンテーニュ入門講義』(2022)

山上浩嗣『モンテーニュ入門講義』ちくま学芸文庫、2022年 書誌情報 ちくま学芸文庫の北村善洋編集長が出版を勧めたとある(p.444)。ちくま学芸文庫オリジナル本ということ。注、モンテーニュ入門のための文献案内があるが、索引はない。 谷沢永...
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『ホモ・エコノミクス』(2022)

重田園江『ホモ・エコノミクス――「利己的人間」の思想史』ちくま新書、2022年 書誌情報 参考文献のみ。 筑摩書房の増田健史氏が担当したようだ。著者3冊目という。すべてちくま新書である。 重田(おもた)氏が自身の文章を使った入試問題にツッコ...
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『にっぽん巡礼』(2010)

山折哲雄『にっぽん巡礼 漂泊の思いやまず』創元社、2010年 コロナで旅に出られなくなって、本を読むことでこころの旅に出ることにした。普段はそれすら忘れて仕事のテーマを追っているのである。これは体力もいるし、ストレスにもなるのだろう。本を片...