『武田三代 信虎・信玄・勝頼の史実に迫る』(2021)

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平山優『武田三代 信虎・信玄・勝頼の史実に迫る』PHP新書、2021年

本書は2021年までの研究成果を踏まえた戦国武田三代の概説である。詳しい根拠は信虎・信玄・勝頼のそれぞれの本にあるという(注1)。信玄は『図説 武田信玄』(戎光祥出版、2021年予定)とあるが、平山優氏のNHKラジオの歴史再発見はテキストが廃止されたので、本書がテキスト代わりになる。図説は間に合いそうもない。

序章 名門源氏意識ーー戦国武田三代を呪縛し続けたもの

「御旗(みはた)・楯無(たてなし)とは武田家に重代伝えられた家宝で、御旗は日の丸の旗、楯無は鎧のことを指す」(23頁)。

「管見の限り、戦国期に至るまで、家宝の旗と鎧を、源氏の血を引く貴種の象徴として喧伝してきた武家」(40頁)は武田以外に存在しない。

平山優氏は源頼義の子である新羅義光を祖とする武田家の源氏意識が戦国武田三代の行動原理であるという(42頁)。

戦国武田三代はこの名門源氏意識により滅亡したとする。

本書は3部から構成されるが、どうも武田信玄の記憶があやふやである。10月からのラジオ講座を聴きながら、年表を書いてみようと思う。タイムラインはよく使われる分析手法の一つである。本書には全体の年表を載せていない。

第1部 武田信虎
第2部 武田信玄
第3部 武田勝頼

(注1)
平山優『武田信虎』戎光祥出版、2019年
平山優『武田信玄』吉川弘文館、2006年
平山優『長篠合戦と武田勝頼』吉川弘文館、2014年
平山優『武田氏滅亡』角川選書、2017年

(注2)平山優氏がNHKカルチャーラジオ歴史再発見「武田信玄の生涯〜生誕500年を迎えて〜」の講師を務める。2021年10月5日(火)20:30〜21:00スタート 、毎週火曜日全13回である。

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