星野秀樹『雪山放浪記』山と渓谷社、2012年
「放浪記」が使われてしまった。当時は本のタイトルで残っていたのが不思議なくらいだった。林芙美子の『放浪記』(1930年)を元祖として「放浪記」が付いたものは多かった。だから、ブログのタイトルに使えそうなものは残っていなかった。まさか「積読放浪記」では「放浪」しょうがない。「雑書放浪記」ならあるかもしてないが、「読書放浪記」には負ける。
写真家の星野秀樹氏の山行記録を読んで、昔の山行を思い出した。「放浪」とは程遠いのが厳冬期の雪山だ。綿密な計画がなければ遭難しかねない。食糧計画、天候との兼ね合いで撤退の判断が常に求められる。低温下で行動力は奪われる。常に不安が付き纏うのが雪山だ。しかし、トレースが消えた雪山を撮すのは無常の喜びではある。
それにしても、山はもう行かない時期だったのになぜ山の本を買ったのだろう。
北アルプス、八ヶ岳、南アルプス、それに上越国境の山々が紹介されている。この人は登攀よりも縦走を好むようだ。
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