『日本の美術484 祭礼図』(2006)

読書時間

佐藤康宏『日本の美術484 祭礼図』至文堂、2006年

風俗画を読み解く楽しみは伊原弘編『清明上河図』をよむ』(勉誠出版、2003年)から始まった気がする。東京国立博物館で特別展「北京故宮博物院200選」(2012年1月2日〜2月19日)に北宋の張択端(ちょうたくたん)が描いた「声明上河図(せいめいじょうがず)が出展された時に、観に行って、その場で本を買った。

さて、佐藤康宏氏は「およそ祭というものが大嫌いなのだ」(p.17)という。こちらも困惑してしまう。しかし、「柳田國男『日本の祭』(弘文堂書房、1942)は、見物人の発生が日本の祭の最も重要な変わり目のひとつだったと述べる」(同上)として、「「見られる祭」を描く絵画を祭礼図として取り扱う」(同上)としている。

日本の昔を扱うと必ず柳田國男が出てくるが、祭と祭礼を区別する視点をすでに指摘しているのは驚かざるを得ない。

佐藤康宏氏による詳論は以下の6件の屏風絵である。勿論カラーの口絵がある。

日吉山王祭礼図・祇園祭礼図(サントリー美術館)

日吉山王祭礼図(檀王法林寺)

祇園祭礼図(出光美術館)

豊国祭礼図(豊国神社)

豊国祭礼図(徳川美術館)

賀茂競馬図(個人蔵)

祭礼図

コメント

タイトルとURLをコピーしました