『南方熊楠と宮沢賢治 日本的スピリチュアリティの系譜』(2020)

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鎌田東二『南方熊楠と宮沢賢治 日本的スピリチュアリティの系譜』平凡社新書、2020年

鎌田東二氏によると南方熊楠は「横一面男」で宮沢賢治は「縦一筋男」だという。熊楠は「あらゆるものごとや出来事にどこまでもつながっていって果てしがない、キリがない、際限がない」(P8)とし、賢治は「「よだかの星」のよだかのように、どこまでもどこまでも垂直に天空飛行し、銀河系の彼方に飛び込んでいって木っ端微塵に散らばっていこうとするからである」(P11)。

序章 二人のM・Kーー横一面男と縦一筋男……

第一章 観察と聴取ーー五感の彼方へ・熊楠と賢治の超感覚

第二章 真言密教と法華経ーー二人のM・Kの宗教世界

第三章 一九一〇年の熊楠と賢治ーーハレー彗星インパクトと変態心理学

第四章 妖怪学の探究と表現

終章 生態智を生きる道

第一章 観察と聴取

鎌田東二氏が南方熊楠と土宣法龍(どきほうりゅう、鎌田氏の読み)の往復書簡を取り上げ大日如来の大不思議を述べた。これは、『曼荼羅の思想』(2005年)の中で鶴見和子が「南方曼荼羅」といい、土宣法龍(ときほうりゅう、鶴見の読み)を頼富本宏と論じていた内容と重なってきた。参考文献に鶴見和子『南方熊楠』講談社学術文庫、講談社、1981年とあるので鶴見和子の見解も知っているはずだ。

注)

2019-10-27『曼荼羅の思想』(2005)

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