『国宝 信貴山縁起絵巻』(1999)その2

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サントリー美術館編『国宝 信貴山縁起絵巻』サントリー美術館・信貴山朝護孫子寺、1999年

さて、信貴山縁起絵巻と信貴山朝護孫子寺とはどのような関係にあるのか。鈴木凰永師(当時、信貴山真言宗管長・総本山朝護孫子寺第百丗二世法主)が「信貴山・朝護孫子寺の歴史と信貴山縁起絵巻」を解説に書いている。

信貴山寺は聖徳太子の時に物部守屋を滅ぼすことに毘沙門天の御利益があり、聖徳太子創建と伝えられている。

信貴山縁起絵巻は信貴山寺の中興の祖というべき命蓮上人のエピソードが三卷で描かれている。第二卷のエピソードでは延喜の世の帝の病気平癒に効があったことが語られ、寺号である朝護孫子寺のいわれにつながるという解説が書かれているが、詞書にはそのような記載がない。信貴山縁起絵巻といっても、信貴山朝護孫子寺のいわれではないのである。

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