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『モンマルトル日記』(1979)

辻邦生『モンマルトル日記』集英社文庫、1979年解説の源高根氏を引用するのが分かりやすい。「1968年の夏埴谷雄高に同行しソヴィエト経由でフランスに渡った辻邦生は、翌年の秋に帰国するまで彼だけはそのまま1年あまりパリに滞在した。辻邦生の二度...
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『路上の神々』(2002)

赤瀬川原平『路上の神々』佼成出版社、2002年路上観察の70枚の写真とエッセイである。路上観察も時の風化に耐えなかったようだ。
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『山家集 古典を読む6』(1983)

久保田淳『山家集 古典を読む6』岩波書店、1983年西行を読む。久保田淳氏は佐々木信綱校訂『新訂山家集』(岩波文庫)で引っかかったら、日本古典文学大系本・新註国文学叢書本・新潮日本古典集成本の注を読み比べ、日本古典文学会版『西行全集』本文、...
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『日本の道教遺跡を歩く』(2003)

福永光司、千田稔、高橋徹『日本の道教遺跡を歩く』朝日選書、2003年本書は朝日新聞大阪本社版の文化面に、昭和61年(1986)1月から62年(1987)4月まで、掲載された『探求・日本の道教遺跡』に大幅に加筆したものを『日本の道教遺跡』とし...
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『ドイツ参謀本部』(1974)

渡部昇一『ドイツ参謀本部』中公新書、1974年、1979年第12刷渡部昇一の「知的生活」の実践例のような本である。渡部昇一の専門は「英文法史」である。渡部昇一が「ドイツ参謀本部の歴史」を一つの「古典(クラシック)」というのは歴史的・人生的教...
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『歴史とは何か』(1962)

E. H. カー、清水幾太郎訳『歴史とは何か』1962年、2018年第88刷最初に読んだのは、大学の時だと思う。まだ、まだ、マルクス主義歴史学の影響が強かった時代に、『歴史とは何か』はイデオロギーではない歴史の見方を教えてくれた。ケンブリッ...
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『吉田健一 ふたたび』(2019)

川本直,樫原辰郎編『吉田健一 ふたたび』冨山房インターナショナル、2019年第2刷ここに来て、何故、吉田健一なのか?1938年生まれの富士川義之氏(第一世代)以外は、みな、若い世代の執筆者(第三世代)である。川本直氏の定義によれば私は第二世...
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『銀魚部隊』(1938)の話

齋藤昌三『銀魚部隊』書物展望社、1938年齋藤昌三の本の話を書いたので、もう一冊紹介しておく。『銀魚部隊』(書物展望社、1938年)は齋藤昌三の号である少雨荘第五随筆集である。なお、タイトルは時局に合わせたふりをしているが、銀魚(紙魚)部隊...
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『書痴の散歩』(1932)を読む

齋藤昌三『書痴の散歩』書物展望社、1932年戦前の本が無いと思っていたのは、私の方だったかも知れない。記憶は嘘をつく。結構出てくるのは昭和思想史研究会で「大正を読む」を読み始めて、課題図書を出来るだけ出版した当時の形式で読み出してからだった...
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『情報時代の見えないヒーロー 』(2006)

Flo Conway、Jim Siegelman、松浦俊輔訳『情報時代の見えないヒーロー ーーノーバート・ウィーナー 伝』日経BP社、2006年ウィーナー の『サイバネティクス』を買って、話の展開を追っていくと、面白い人だと分かる。人となり...
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『普遍論争』(2008)

山内志朗『普遍論争 近代の源流としての』平凡社、2008年ライブラリーの本を手繰っていたら、出てきた本、山内志朗氏の『天使の記号学』を買う磁力はすでに『普遍論争』(2008年)にあったのか。改めて記憶のあてにならなさを思い知る。本書は199...
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『英語の語源』(1977)

渡部昇一『英語の語源』講談社現代新書、1977年まえがきで渡部昇一が書いてあることが懐かしい。「数年前に「百万人の英語」というラジオ講座で、毎週金曜日にWord Power Hour(単語力増進の時間)を1年間担当した」(P2)。私も楽しみ...
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『日本のことばと古辞書』(2003)

山田俊雄『日本のことばと古辞書』三省堂、2003年「闇から牛」は「闇」をどう訓むかという話で、その前振りに中谷宇吉郎がでてくるのが面白い。中谷宇吉郎は世の中の研究方法を概観して、2つの型に分類した。警視廳型の研究とアマゾン型の研究である。山...
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『データ・ドリブン・エコノミー』(2019)

森川博之『データ・ドリブン・エコノミー  デジタルがすべての企業・産業・社会を変革する』ダイヤモンド社、2019年森川博之教授のお話を月例会で聴いたので、早速、ご著書を買うことにした。中身は一般向けのため、デジタルに詳しくなくても楽しめる。...
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『欧州紀行』(1972年)

埴谷雄高『欧州紀行』中公新書、1972年、1974年第4刷埴谷雄高がどういう人だったか忘れた。ここにあるのは半世紀前の欧州なのかと思うと、同時期の欧州を旅した記憶が断片的に浮かび上がる。埴谷雄高の同行者のT君はもしかしてと思っていたが、「T...