福永光司、千田稔、高橋徹『日本の道教遺跡を歩く』朝日選書、2003年
本書は朝日新聞大阪本社版の文化面に、昭和61年(1986)1月から62年(1987)4月まで、掲載された『探求・日本の道教遺跡』に大幅に加筆したものを『日本の道教遺跡』として1987年に朝日新聞社から刊行した。2003年に朝日選書として再版したもの。
御蔵前書房で買う。店の前面は本で塞がっているので奥が見えない。左手に周り、天井まで積まれた本の間の狭い通路を奥に進み、中から出迎えてくれた女性から何とか購入できた。
福永光司氏は2001年に亡くなられたので、選書版のあとがきに「隠居するの弁」を再録することにしたという。連載途中で福永光司氏が隠居すると称して京都から郷里の大分へ帰郷したことにより、連載を続けることが困難になったという。夜行列車で出てきてもらうという無理もいつまても続けられないということだった。何しろ現地を見て回るのが必要な企画なのだ。
どうやら、日本の道教遺跡はまだまだ続けるはずだったことになる。残念なことだ。
飛鳥と多武峰(奈良)
吉野・宮滝(奈良)
伊勢神宮(三重県伊勢市)
八角墳(奈良)
出雲(島根県大原郡大東町須賀)
丹後半島・筒川(京都府与謝郡伊根町本庄)
岐阜・南宮大社(岐阜県不破郡垂井町)
薩摩半島・坊津町(鹿児島県川辺郡坊津町坊)
香春・宇佐(大分県宇佐市南宇佐)
藤原京と平城京(奈良)
交野(大阪)
赤山禅院(京都)
晴明神社(京都)
大峯山(奈良)
吉田神社(京都)
妙見山(大阪府能勢町野間中)
革堂行願寺(京都)
四天王寺庚申堂(大阪)
連載は16回だが、第一部は18章あるので、2章分は追加したのだろうか。
第二部 道教については福永光司氏に二人が聞くという形式で書かれている。
滋賀がないのはまことに残念である。
陰陽道・修験道のルーツを辿れば道教に至るかもしれない。
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