『特選いいビル 国立 京都国際会館』(2019)

読書時間

BMC『特選いいビル 国立 京都国際会館』大福書林、2019年

「甘夏さんが来てる? 」「いますよ」

ランチの注文をすると、わたしは二階へ上がって甘夏書店へ行く。今回も、私のために用意していたような本書を推奨してくれた。よって、購入に至ると、ちょうど、支度ができたとの声がかかる。

京都国際会館は2005年に白川静の文字講話の最終講義で初めて訪問した。その後、古典の日で再訪をしている。1966年に完成した日本初の本格的な国際会議場である京都国際会館の外観は重厚である。宝ヶ池から眺めたことはあるが、全貌を見渡したことはない。設計した大谷幸夫は丹下健三に学んだという。天井の高い会議場内の地球を模したオブジェを見上げたり、壁から釣り下がるように見えるをアルミのパーツ、モダンな造り家具を見て回った。2,000人が入るという会議場で白川静の講義が行われ、お孫さんによる花束の贈呈がされて終わった。

BMCのメンバーは幸せだな。この京都国際会館を2日間写真撮影で見て回れたわけだから。利用者が少ない非常用階段の照明がモダンなデザインだったことについて、井上タツ子氏が「大谷先生は、建築物全体で機能を考える人で、人間の身体に明確な表・裏がないように、建築物にも“裏側”は存在しないという考えがあったようだ」(P36)。階段室にある番号が段数を表しているという。『月刊ビル』の号数のデザインのようで気になった。

写真は西岡潔氏が担当した。本の装丁にアルミパーツのデザインが使われている。160頁。

#京都 #BMC

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