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『日本のことばと古辞書』(2003)その2

山田俊雄『日本のことばと古辞書』三省堂、2003年山田俊雄は日本語研究者であったが、「「みすず」からの、たっての依頼に應じて拙文を綴ることにしたが、もともと私は、漢文の専門家でもないし、まして漢文訓読を専攻してもゐないので、全くをこがましい...
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「イデアの超越」を読む

納富信留「イデアの超越 ーー魂の変容と現実の開示ーー」『思想』2015年9月号、岩波書店納富信留氏が「イデア論」とは何かと迫っている。「プラトンの「イデア論」は今日、現実無視の陳腐なドグマ、そんな風に思われている。とりわけ、ニーチェが提唱し...
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『英語の思考法』(2021)

井上逸兵『英語の思考法 ーー話すための文法・文化レッスン』ちくま新書、2021年文化的なアプローチで英語を捉えることを教えてくれるユニークな本である。基本は帯にあるとおりである。1.英語は「独立」志向2.英語は「つながり」を好む3.英語は「...
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『管理される心』(2000)

A.R.ホックシールド、石川准・室伏亜希訳『管理される心 感情が商品になるとき』世界思想社、2000年、2020年第12刷サービス産業に従事する人々が全て感情を管理することが求められているわけではないであろう。客室乗務員が分析対象になってい...
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『改訂祇園祭と戦国京都』(2021)

河内将芳『改訂祇園祭と戦国京都』法蔵館文庫、2021年河内将芳氏が角川叢書で載せられなかった図表を文庫版に入れていた。一般書の決定版になる。現代の祇園祭も紹介しており、祇園祭のイメージの形成図表は関連するところが収録されていた。表1 明応九...
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『大乗仏教の誕生』(2021)

梶山雄一『大乗仏教の誕生』講談社学術文庫、2021年書誌情報参考文献をつけただけの一般書。『「さとり」と「回向」ーー大乗仏教の成立』講談社現代新書、1983年。「仏教の終末論」を加えた増補・改訂版を人文書院から1997年に刊行。文庫化に当た...
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『新訂英文解釈考』(1980)

佐々木高政『新訂英文解釈考』金子書房、1980年、2020年第24刷どうも昭和時代には英語で考えることが求められていたようだ(注)。佐々木高政の『新訂英文解釈考』のはしがきを読むと、そう書いてある。「英語を読み書き,話し聴く際にできるだけ日...
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『考える英文法』(2019)再読終了

吉川美夫『考える英文法』ちくま学芸文庫、2019年 通勤時間だけで読んだせいか思った以上に時間がかかってしまった。通勤時間は暗記か読みものにして、問題を解くのは家でやろう。 どれも一長一短があるのは仕方がない。自分で試してみて良し悪しの判断...
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『わが人生の断片(下)』(1985)

清水幾太郎『わが人生の断片(下)』文春文庫、1985年渡部昇一の『発想法』(1981年)を読んでいて、清水幾太郎に触れた箇所で引用していた『わが人生の断片』(上・下 文藝春秋社、1975年)を引用しようとして孫引きになるので控えることにした...
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『論文の書き方』(1959)その2

清水幾太郎『論文の書き方』岩波新書、1959年、2020年第100刷書くということ。清水幾太郎が「見た通り」の世界と「思った通り」の世界のことを書いている。「眼に見える世界は、最初、空間的並存状態として現われるほかない」(P105)。自分の...
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『論文の書き方』(1959年)

清水幾太郎『論文の書き方』岩波新書、1959年、2020年第100刷 渡部昇一が『発想法』(講談社現代新書、1981年)で清水幾太郎(いくたろう)を取り上げていた。そこで連想読書は清水幾太郎へ興味を向けた。清水幾太郎はラジオからテレビの時代...
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『発想法 リソースフル人間のすすめ』(1981)

渡部昇一『発想法 リソースフル人間のすすめ』講談社現代新書、1981年、1991年第8刷渡部昇一は知的生活を大いに楽しんだようだ。専門以外に多くの著作を残したが、書いたもののレベルは素人だけに突拍子もないものも多い。発想法好きな私が『発想法...
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『へんりっく ブリキの太鼓』(2009)

森崎偏陸『へんりっく ブリキの太鼓』ワイズ出版、2009年、1,500円Le Petit Parisienで「森崎偏陸氏と戯れる 寺山修司と天井桟敷」という森崎偏陸(へんりっく)氏の映画『へんりっく』の上映とトークの会があり、森崎偏陸氏が映...
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自然情報と人工情報

加島祥造の『老子と暮らす 知恵と自由のシンプルライフ』(光文社知恵の森文庫、2006年)を朝からなんとなく読んでいる。加島祥造が座談のなかで自分を語ったことが本になった。文庫なのに文字が大きくて見やすいのが老眼に優しい。「情報には、二種類あ...
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『『信長記』と信長・秀吉の時代』(2012)

金子拓編『『信長記』と信長・秀吉の時代』勉誠出版、2012年『信長記』の諸本の史料学的な比較・検討の成果をまとめた論文集である。何故、研究所にあったかは記録がないのでもう分からない。『信長記』の記述が信用に足るかは基礎的な検討が必要である。...