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書籍目録

2020年08月書籍往来

2020年08月書籍往来葉月になった。それだけじゃあおさまらない。忘却による記憶の変化を感じるのは書籍往来の本を読むことがきっかけだろうか。【思想】重田園江『ミッシェル・フーコー ーー近代を裏から読む』ちくま新書、2011年【歴史】高橋昌明...
読書時間

『ミッシェル・フーコー ーー近代を裏から読む』(2011)

重田園江『ミッシェル・フーコー ーー近代を裏から読む』ちくま新書、2011年重田薗江(おもた そのえ)氏の本は『社会契約論:ホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズ』(ちくま新書、2013年)を読んで、ミッシェル・フーコーが専門であることが分か...
読書時間

『増補 湖の国の中世史』(2008)その2

高橋昌明『増補 湖の国の中世史』中公文庫、2008年三、現当二世の利益を求めて西国三十三所巡礼の成立は「三井寺の高僧覚忠の名と結びついた三十三所観音巡礼」(P41)に始まるとされる。「覚忠の三十三所は、伝統的な観音霊場と新たに出現した霊場を...
読書時間

『増補 湖の国の中世史』(2008)

高橋昌明『増補 湖の国の中世史』中公文庫、2008年書誌情報『湖の国の中世史』(平凡社、1987年)を文庫化に当たり、増補改訂した。著者が滋賀大学に在籍していた当時の本で、『滋賀民報』に掲載したものを元にしている。「あとがき」によれば途中で...
ひととき

奈良その奥から23「熊澤さんの駒」

岡本彰夫 『ひととき』2020年9月号元春日大社権宮司の岡本彰夫氏が「熊澤さんの駒」について『ひととき』2020年9月号に書いていました。「熊澤良尊さんは、かつて一流企業に勤める企業戦士であったが、好きが高じてというか、一念発起されて、将棋...
ひととき

131「三たび月家」千宗室

ひととき 2020年9月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「三たび月家」というタイトルでした。短期間に何があったのでしょうか。私たちは5月号と7月号で「月家」の話題を読んできました。二度あることは三度あるということわざ...
読書時間

『忘却の整理学』(2009)その2

外山滋比古『忘却の整理学』筑摩書房、2009年最近は何故か2009年前後の本を取り上げることが多い。その頃は年間400冊を超えて本を買っていたから、当然かもしれないが、積読どころか2冊もある本がある。買ったことすら覚えていないのは、新幹線の...
断片記憶

藤井王位の将棋

藤井聡太棋聖が第71期王位戦で木村一基王位に挑戦した七番勝負は、藤井棋聖が四連勝で王位を奪取し二冠を獲得しました。初日の序盤では木村王位が積極的に動いて指しやすい展開と見てましたが、封じ手以降は直線的な進行になって木村王位が力を出せないまま...
読書時間

『忘却の整理学』(2009)

外山滋比古『忘却の整理学』筑摩書房、2009年そういえば、外山滋比古は先月に亡くなっていた。正確には2020年7月30日のことで、96歳であった。この人は英文学者だったが、エッセイを読んできた。『思考の整理学』(1983年)の後に出た本で、...
読書時間

『AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか』(2019)

西垣通・川島茂生『AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか』中公新書ラクレ、2019年AI倫理をどう捉えるかは様々な意見があると思う。狭く受け止めることもできるし広く捉えることもできる。本書は第一部〈理論編〉情報倫理からAI倫理へは西垣通氏...
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『美意識を磨く』(2020)

山口桂『美意識を磨く』平凡社新書、2020年オークション会社の代表の書いた本です。この人の父は美術史家、しかし、本人は広告代理店に勤めるサラリーマンでしたが、英語もできないのにクリスティーズに誘われるままに入ってしまいます。大丈夫? と聞き...
視聴時間

『京都五山送り火』(2008)を見る

『京都五山送り火』NHKエンタープライズ、2008年、DVD本編75分+特典7分2007年8月16日のNHKスペシャルで放映されました。山折哲雄氏がゲストで出演していました。私が五山送り火を最初に見たのは、東一条通からでした。柚子屋旅館でT...
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『室町時代の祇園祭』(2020)

河内将芳『室町時代の祇園祭』法藏館、2020年河内将芳氏の本と私河内将芳氏の本を読むのは楽しい時間です。結構なペースで本を書いておられるため過去も色々と読んできました。一般書は気晴らしに読めるので続けられるのだと思います。専門書を読むだけの...
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『天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀』(2018)その3

加藤陽子『天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀』講談社学術文庫、2018年第4刷昭和を読む意味この時期に、昭和を読むことの意味を考えさせられます。戦争と平和の時代であった昭和を我々は忘れ始めているのではないのでしょうか。そもそもちゃんと振り返...
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『天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀』(2018)その2

政治的人間政治的人間について、加藤陽子氏はマックス・ヴェーバーと武田泰淳の考えを取り上げていました。マックス・ヴェーバーの「職業としての政治」に見える政治的人間は情熱、判断力、責任感をもって「国家の指導、その指導に影響力を与えようとする行為...