『AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか』(2019)

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西垣通・川島茂生『AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか』中公新書ラクレ、2019年

AI倫理をどう捉えるかは様々な意見があると思う。狭く受け止めることもできるし広く捉えることもできる。

本書は第一部〈理論編〉情報倫理からAI倫理へは西垣通氏が担当し、第二部〈応用編〉AI倫理の練習問題を河島茂生氏が担当しています。

参考文献を見て西垣通氏の最近の著作を読んでいなかってことに気がつきました。そしてロールズを読むことの意義を改めて知りました。

第二部の初めに第一部が要約されてます。

「人格をもたないAIは道徳的主体となり得ない」および「AIが予測を超えた作動をおこなうことを前提とした社会規範・倫理思想が人間に求められている」(P171)。

「生物と機械のあいだには根本的な相違がある。AIは理論的自律性などをもちえない。生物は自らルールをつくって自律的に行動し、自ら世界をこうせいしているが、AIはあくまで他律的存在であり、プログラムで指示されたようにさどうしているだけなのだ。したがって、AIに自由意識などはなく、道教的責任など負えるはずもない」(P165)。

これにつきると思います。AIを使うのは人間ですから、AIの誤作動の影響の大きさを考えれば、倫理道徳たる社会規範や倫理思想に立ち返って人間の行動を考えることが必要になります。

西垣通氏が近代の倫理学を四つあげていたのが参考になりました。以下の、功利主義・自由平等主義、自由至上主義、共同体主義です。

これに対しAI倫理を位置付ける前に、情報倫理が取り上げてられました。

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