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『いくさ物語の世界』(2008)

日下力『いくさ物語の世界 中世軍記文学を読む』岩波新書、2008年読み頃この頃の本がよく箱の中から出てくる。花火のために部屋を整理していた若者が、床に積まれていた本を段ボール箱に詰め込んで外部倉庫へ出したままだったということだろう。一回り経...
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『室町人の精神』(2009)

桜井英治『日本の歴史12 室町人の精神』講談社学術文庫、2009年、2013年第5刷何か読むたびに挫折する本のようだ。読みはじめると、読んだことがあることを思い出すが、室町時代の政治状況の分かり難さと、登場人物の多さ、執奏、伝奏、申次など似...
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『蕪村七部集』(1928)はちょっと手強い

伊藤松宇校訂『蕪村七部集』岩波文庫、1928年、2004年第10刷『蕪村七部集』とは例言によると、「蕪村七部集は文化五年秋書肆懷玉堂等の編纂せるものにして例の七部集形本二巻に分たる、上巻には其雪影、明烏、一夜四歌仙、花鳥篇、桃李、下巻には續...
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『「第三者委員会」の欺瞞』(2020)

八田進二『「第三者委員会」の欺瞞 報告書が示す不祥事の呆れた後始末』中公新書ラクレ、2020年タイトルからして内容が透けて見えるので、買う必要はないのかもしれないが、八田進二氏の本は大概は目を通すことをしている。本人が駿河台大学の頃に名刺交...
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『LaTeX超入門』(2020)

水谷正大『LaTeX超入門 ゼロからはじめる理系の文書作成術』BLUE BACKS、2020年月刊ALL REVIEWSの鹿島茂氏と先崎彰容氏の吉本隆明『共同幻想論』を読むという対談を19:30〜21:18迄見てしまったし、先崎彰容氏の10...
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『駒形どぜう六代目の浅草案内』(2003)

越後屋助七『駒形どぜう六代目の浅草案内 〜今に生きる江戸っ子の味、技、人情〜』小学館、2003年観光案内は最新に限ます。新しい店ができたり、ホテルが建てられたりして街は変わっていきます。ちょっと前の観光案内を残しておいたのは、昔、見たものが...
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『大元帥 昭和天皇』(2020)その3

山田朗『大元帥 昭和天皇』ちくま学芸文庫、2020年物事は光のあてかたによって印象が違って見えるものです。我々の認識の限界がそこにあることも確かです。昭和天皇の軍人としての内実を照射する山田朗氏の記述に浮かび上がったのは、軍服姿の昭和天皇で...
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『大元帥 昭和天皇』(2020)その2

山田朗『大元帥 昭和天皇』ちくま学芸文庫、2020年山田朗氏は「まえがき」で本書の執筆意図を書いてます。「戦前日本において天皇は、楽・海軍を指揮・統率する最高統帥者=大元帥であった。本書は、大元帥としての昭和天皇の軍務と戦争関与の実態を可能...
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『大元帥 昭和天皇』(2020)

山田朗『大元帥 昭和天皇』ちくま学芸文庫、2020年結局、買ってきた本を読んでいます。薄情なヤツと言われてもしょうがないですね。好奇心が旺盛すぎるのでした。書誌情報本書は『大元帥 昭和天皇』(新日本出版社、1994年)の第14刷を定本として...
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『続文字講話』(2007)その2

白川静『続文字講話』平凡社、2007年第二話 金文Ⅰ白川静は殷王朝の性格と日本民族の共通性に、青銅器を加えていました。殷王朝が呪鎮として敵対する異民族との境界に埋めた青銅器と日本の銅鐸を同じ呪器とみています。出雲の賀茂岩倉の銅鐸が斜面に埋め...
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『続文字講話』(2007)で最終講義を思い出す

白川静『続文字講話』平凡社、2007年若松英輔氏が白川静の講義の仕方がどのようだったのかとTwitterで呟いたのがきっかけで、私も記憶が不確かになっていたこともあり、本棚の奥を探してみました。そこには「最終講義」と帯にありました。この講義...
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『しるもの時代』(2020)

木村衣有子『しるもの時代』木村半次郎商店、2020年『のんべえ春秋』でお馴染みの木村衣有子氏の「家庭料理」を対象としたエッセイです。著者の味噌汁は出汁を引く派です。ええ、水出汁一辺倒で幾分具沢山かも知れません。「ここ数年汁物にまつわる本の存...
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『万葉集の起源 東アジアに息づく抒情の系譜』(2020)

遠藤耕太郎『万葉集の起源 東アジアに息づく抒情の系譜』中公新書、2020年『万葉集』は書記言語として漢字で書かれた歌集である。それ以前の声の歌に遡ることはできない。日本の言語学者は音声言語を追求してきたが、うまくいくはずがなかった。遠藤耕太...
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『関ヶ原大乱、本当の勝者』(2020)

日本史史料研究会監修、白峰旬編著『関ヶ原大乱、本当の勝者』朝日新書、2020年これはマニア向けの本であろう。東国の武将と西国の武将を見てみると、東国の武将では真田昌幸の戦いがないのは残念な気もする。桐野作人氏が西国の武将では島津義弘の戦いが...
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『ひとつとなりの山』(2008)

池内紀『ひとつとなりの山』光文社新書、2008年池内紀氏は2019年に亡くなられました。この本は『フィレンツェ史』の代わりに出てきた本です。タイトルが良いです。もう山に行けないので、山の本はいらないだろうと言わていますが、登らない山でもいい...