Goinkyodo

断片記憶

「辞本涯」の語感

竹内信夫『空海入門 弘仁のモダニスト』ちくま学芸文庫、2016年竹内信夫『空海入門 弘仁のモダニスト』(2016年)を読み返して、DVDを見始めてしまった。そもそも、空海が高野山を創建するときに冬の高野山を「山高雪深、人迹難通」と形容した手...
視聴時間

『五大 地・水・火・風・空 高野山・紀伊山地の霊場と参詣道』(2004)

永坂嘉光『五大 地・水・火・風・空 高野山・紀伊山地の霊場と参詣道』GPミュージアムソフト、2004年、DVD42分竹内信夫氏の『空海入門 弘仁のモダニスト』(2016年)を読み返していて冬の高野山が見たくなって、封を切る。永坂嘉光氏の写真...
断片記憶

「渉覧山水」ということ

竹内信夫氏の『空海入門 弘仁のモダニスト』(ちくま学芸文庫、2016年)を読み返していて、冬の高野山が見たくなった。以前、暮れに行った時は、寒かったけど、雪は降らなかった。霊宝館が冬休みで閉まっていた。壇上伽藍のある盆地の西の端にある大門か...
散歩時間

「酒呑童子絵巻」を観に根津美術館まで

根津美術館に「酒呑童子絵巻 ー鬼退治のものがたりー」を観に行く。室町時代の酒呑童子絵巻は残念ながら1巻しかなく、これからというところが見れない。江戸初期の伝狩野山楽の3巻本は色がよくなかった。19世紀の住吉弘尚の8巻本は酒呑童子の誕生から始...
断片記憶

上田惇生氏逝く

上田惇生氏が2019年1月10日に亡くなられた。知人のFBを読んで初めて知った。ドラッカーは上田惇生訳で読んできたから、良くも悪くも影響は大きい。上田惇生氏編訳は評判が悪いのでほとんど処分してしまったが、『テクノロジストの条件』(2005年...
読書時間

『和歌とは何か』(2009)その6

渡部泰明『和歌とは何か』岩波新書、2009年、2013年第3刷後半は行為としての和歌である。するする読んでしまう。Ⅱ 行為としての和歌第1章 贈答歌ーー人間関係をつむぐ贈答歌はその解釈が難しいのであるが、著者は、和泉式部と敦道親王、慈円と頼...
読書時間

『戦国大名と国衆』(2018)

平山優『戦国大名と国衆』角川選書メチエ、2018年平山優氏の最新刊である。前回の本に比べて薄いにも関わらず読むとすぐに眠くなるのは、最初に出てくる用語の定義のせいである。これを越えないと先に進めない感じがするのが、「論」のせいで、『武田氏滅...
書籍目録

2019年1月購入図書

2019年1月購入図書今年は積読はしないという方針で新刊本と付き合うことにする。研究会で使う本とか考えると、新刊本5割、古書2割、往来3割くらいになると理想的だなあ(去年の実績は45%、35%、20%)。新聞、定期購読誌、メルマガ、ブログ、...
書籍目録

2019年1月購入古書

2019年1月購入古書去年の購入書籍は100冊を切ったので、積読率は改善されたと思っているが、過去の積み重ねは如何ともし難く、部屋を圧迫し続けている。古書はほとんどリサイクルできないので、燃えるゴミとなる。比較的綺麗な新書はリサイクルで古書...
読書時間

『和歌とは何か』(2009)その5

渡部泰明『和歌とは何か』岩波新書、2009年、2013年第3刷第5章 本歌取りーー古歌を再生するこの本は各章のサブタイトルが気になる書き方をしていると思う。さて、本歌取りの定義も実にやっかいだということから、少し端折って、定義に入る。「本歌...
読書時間

綜合文藝同人右左見第3号

綜合文藝同人右左見第3号(平成三十秋冬号)を遅ればせながら買う。年二回発行になるという。右左見中道氏が巻頭言に代えて「新しき傍流」宣言を書いていた。主流なき時代には「己の魂を歓ばせる」ことに注力せよという。反抗すべきものすらもない傍流のなか...
読書時間

『和歌とは何か』(2009)その4

渡部泰明『和歌とは何か』岩波新書、2009年、2013年第3刷第4章 縁語ーー宿命的な関係を表す言葉縁語の定義は難しいらしい。「今回は、間違いなく縁語と認められる例に限定し、禁欲的に考えてみることにしたい」(P79)と著者が「禁欲的」という...
読書時間

『和歌とは何か』(2009)その3

渡部泰明『和歌とは何か』岩波新書、2009年、2013年第3刷第1章 枕詞ー違和感を生み出す声枕詞も分からないものの一つだ。知ってはいるが、理屈で考えることはできない。著者は枕詞を三点から説明している。主として五音で実質的な意味はなく常に特...
読書時間

『和歌とは何か』(2009)その2

渡部泰明『和歌とは何か』岩波新書、2009年、2013年第3刷何しろ序章のタイトルが「和歌は演技している」である。枕詞・序詞・掛詞・縁語・本歌取りといった和歌独特の修辞技法(レトリック)が演技の視点から説明される。和歌について勘違いしていた...
ひととき

奈良その奥から四「竃の飯」

岡本彰夫 「竃の飯」『ひととき』2019年2月号春日大社の元権宮司の岡本彰夫氏が「竃の飯」について『ひととき』2019年2月号に書いていました。式年造替の時に神様が仮殿である「移殿(うつしどの)」へ渡るための「筵道(えんどう)」は百間(約1...