奈良その奥から四「竃の飯」

ひととき

岡本彰夫 「竃の飯」『ひととき』2019年2月号

春日大社の元権宮司の岡本彰夫氏が「竃の飯」について『ひととき』2019年2月号に書いていました。式年造替の時に神様が仮殿である「移殿(うつしどの)」へ渡るための「筵道(えんどう)」は百間(約180m)あります。藁薦(わらごも)を敷き詰めますが、この藁薦が百枚必要になります。この藁もコンバインで収穫すると丈が短くなるので手刈りするそうです。俵を編むのと同じように藁薦を編むための技もかつては知らぬ人のないものだったそうですが、二十年先を考えて映像で記録したそうです。

春日若宮おん祭で千人にも及ぶ奉仕者への食事は竃で煮炊きします。これが頗る美味いといいます。しかし、「おクドさん」で飯が炊ける人を探すのに苦労したといいます。かつて当たり前だったことが、二十年程前からできる人がいなくなってしまいました。一番伝承が難しいのは、みんなが知っていることなのだといいます。

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