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『哲学の問い』(2024)

青山拓央『哲学の問い』ちくま新書、2024年課題図書として通勤の時間に読んできた。哲学は問いを育てるものだという。〈対話〉編と〈論述〉編に分かれている。テーマごとに参考図書があるので、買いたくなるところをグッと堪えて読み終わるのを待ってみた...
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『ブッダという男 ー初期仏典を読みとく』(2023年)

清水俊史『ブッダという男 ー初期仏典を読みとく』ちくま新書、2023年、2024年第2刷『はじめての「生と死から学ぶ空海の思想」入門』の読書会で本書の存在を教えてもらった。すぐに買わないうちに時間は経っていった。清水俊史(としふみ)氏は論客...
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『苦悩の覇者天武天皇 専制君主と下級官僚』(2024)

虎尾達哉『苦悩の覇者天武天皇 専制君主と下級官僚』吉川弘文館、2024年虎尾達哉氏の『古代日本の官僚』(中公新書、2021年)を読んだ身としては下級官僚の話を期待して購入したところもある。働かない官僚を率いて律令国家の構築に邁進したであろう...
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『京町家歳時記 油商、四季と暮らす』(2024)

山中恵美子『京町家歳時記 油商、四季と暮らす』ミネルヴァ書房、2024年思えば、京都によく行っていたときは、西陣の油商の京まちや平安宮での同志社女子大学の公開講座や朧谷寿先生の歴史講座に顔を出したものだった。2008年5月にオープンしてから...
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『日本の道教遺跡を歩く』(2003)を再読する

福永光司・千田稔・高橋徹『日本の道教遺跡を歩く 陰陽道・修験道のルーツもここにあった』朝日新聞社、2023年以前読んだ時は、道教遺跡の信憑性に着目したので、肝心の陰陽道と修験道へのリンクを読み落としていた。吉野の宮滝から青根ヶ峰を見上げるこ...
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『一遍聖絵 聖戒編』(2000)

大橋俊雄校注『一遍聖絵 聖戒編』岩波文庫、2000年、2024年第12刷一遍聖の伝記を初めて読む。もっと早く読むべきだったと思う。もっとも、古文であるからそれなりの知識と経験が必要なのではある。最澄、空海、法然、親鸞と日蓮は少し読んできたが...
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『吾妻鏡 鎌倉幕府正史の虚実』(2024)

藪本勝治『吾妻鏡 鎌倉幕府正史の虚実』中公新書、2024年圧倒的な筆力である。『吾妻鏡』が後世の編纂物であり二次史料であることを改めて認識させられた。編年体で漢文で書かれたことで正史と錯覚していたのである。現代語訳で読んだ時は先祖がどのよう...
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『法隆寺を歩く』(2009)その2

上原和『法隆寺を歩くと』岩波新書、2009年著者85歳の法隆寺研究の集大成ともいうべき本であった。フェノロサが夢殿観音の厨子を開扉させたのがいつかを巡って資料の突き合わせがされていた。和辻哲郎がフェノロサの遺著の記憶違いをそのまま使って間違...
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『日本の美術484 祭礼図』(2006)

佐藤康宏『日本の美術484 祭礼図』至文堂、2006年風俗画を読み解く楽しみは伊原弘編『清明上河図』をよむ』(勉誠出版、2003年)から始まった気がする。東京国立博物館で特別展「北京故宮博物院200選」(2012年1月2日〜2月19日)に北...
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『法隆寺を歩く』(2009)持って法隆寺へ行こう!

上原和『法隆寺を歩く』岩波新書、2009年梅原猛『美と宗教の発見』(講談社学術文庫、1976年)の上原和氏の解説を読んで上原和氏の本を読みたくなった。『斑鳩の白い道の上にー聖徳太子論』(朝日新聞社、1975年)は見つけられていないが、本棚に...
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『都市祭礼と中世京都』(2024)

河内将芳『都市祭礼と中世京都』法藏館、2024年「序にかえて」を読む。先行研究が列挙された「序にかえて」を読んでいくと、いちいち注を確認したくなる。河内将芳氏の書かれたものを中心に読んできたことがわかる。関係する論考を読みたくなったが、入手...
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『『吾妻鏡』の合戦叙述と〈歴史〉構築』(2022)を読み始める

薮本勝治『『吾妻鏡』の合戦叙述と〈歴史〉構築』和泉書院、2022年薮本勝治氏の『吾妻鏡』論を読む。歴史研究者の批判的読書と文学研究者による批判的読書の違いはあるのか、それとも気のせいなのか。小松英雄を読むことで、文学研究者と言語学者の解釈力...
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『天皇論「象徴」と絶対的保守主義』(2024)は子安宣邦先生の最終講義だった。

子安宣邦『天皇論 「象徴」と絶対的保守主義』作品社、2024年第一章『古事記伝』の最初で最後の愛読者子安宣邦先生が、小林秀雄『本居宣長』(新潮社、1977年)を取り上げたことで、しばらく小林秀雄を読むことになった。しかし、読みきれないまま本...
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『J・S・ミル 自由を探求した思想家』(2024)

関口正司『J・S・ミル 自由を探求した思想家』中公新書、2024年J・S・ミル(1806-1873)の生涯を考える時、J・S・ミルは中流階級出身で学校教育を受けていない点が最初に挙げられる。父親からの私教育により精神形成が行われた。3歳から...
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『史料から広がる世界』(2024)

奈良大学文学部史学科監修『史料から広がる世界 奈良から世界へ 過去から未来へ』ナカニシヤ出版、2024年第8章については、「2024年06月購入図書(その7)で外岡慎一郎教授の「史料としての書状の広がり」について書きましたので他のことに触れ...