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『張良』(2024)を読む愉しみ

宮城谷昌光『張良』中公論社、2024年久しく宮城谷昌光氏の単行本を読んでいなかった。昔は1年に1冊くらいのペースで読んでいたから、待つことには慣れている。『張良』は他でも読んできたし、『劉邦』(2015年)3巻でも描かれていた。一冊で納める...
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『法律家シェイクスピア』(1989)

小室金之助『法律家シェイクスピア』新潮選書、1989年著者の小室金之助(1928-2015)は法学者で弁護士だったので、法律の専門家である。シェイクスピアの作品に法律問題や法律用語が出てくることで、シェイクスピアは何者感があるが、「シェイク...
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『世界の名著続5 トマス・アクィナス 神学大全』(1975)

山田晶訳『世界の名著続5 トマス・アクィナス 神学大全』中央公論社、1975年上山春平(1921-2012)と山田晶(1922-2008)との対談を月報で読んだことは前に書いた。「聖トマス・アクィナスと『神学大全』」という解説も面白かった。...
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『竹林の七賢』(2024)を読んで絵画を見たくなる

吉川忠夫『竹林の七賢』講談社学術文庫、2024年「竹林の七賢」は3世紀中国の魏晋の時代の人であるという。山濤(さんとう)、阮籍(げんせき)、嵆康(けいこう)、向秀(しょうしゆう)、阮咸(げんかん)、劉怜(りゆうれい)、王戎(おうじゅう)。4...
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『マルレーン・ハウスホーファー短編集 人殺しは夕方やってきた』(2024)

マルレーン・ハウスホーファー、松永美穂訳『マルレーン・ハウスホーファー短編集 人殺しは夕方やってきた』書肆侃侃房、2024年宮島亜紀さんが装丁・挿画を担当しているのは、文芸誌の『食べるのが遅い』に掲載した短編に挿画を描いたことによる。マルレ...
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『中世政治思想講義ーーヨーロッパ文化の原型』(2024)

鷲見誠一『中世政治思想講義ーーヨーロッパ文化の原型』ちくま学芸文庫、2024年序章ヨーロッパ文化の四つの基本的構成要素第一番目 ギリシアの哲学第二番目 古代ローマの法律・政治の理念と制度第三番目 キリスト教の信仰第四番目 ゲルマン人の民族的...
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On Writing(2020)

Stephen King. On Writing, Scribner,2020立ち読みしたForewordに載っていたエピソードがこの本の執筆事情であった。One night while we were eating Chinese bef...
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『歴史学はこう考える』(2024)その2

松沢裕作『歴史学はこう考える』ちくま新書、2024年第2章は自身の研究なので、細かいニアンスが伝わってきた。これからは他者の論文を読み取る話になる。第3章では中央政府の政治家たちの行動に注目するタイプの研究(政治史の一つ)として高橋秀直「征...
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『歴史学はこう考える』(2024)

松沢裕作『歴史学はこう考える』ちくま新書、2024年歴史家は何をしているのか。歴史家といわれる人達が、「歴史家が実際にやっていることは、歴史家以外の人びとにはそれほど知られていないのではないかと思っています。さらに正直に言うと、実は歴史家た...
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『読書術』(2000)その2

加藤周一『読書術』岩波現代文庫、2000年、2023年第26刷本書の構成は以下である。Ⅰ どこで読むか1.寝てもさめても本はどこで読んでもよい。ベッドが最高!2.幾山河通勤電車の時間を読書に充てる話で、ラテン語文法を一年で覚えた話が載ってい...
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『読書術』(2000)

加藤周一『読書術』岩波現代文庫、2000年、2023年第26刷加藤周一(1919-2008)の『読書術』(光文社、1962年)を読んだのは高校生くらいだったかと思う。KAPPA BOOKS版は手頃だった。本書に1992年師走の跋文があるのは...
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『哲学の問い』(2024)

青山拓央『哲学の問い』ちくま新書、2024年課題図書として通勤の時間に読んできた。哲学は問いを育てるものだという。〈対話〉編と〈論述〉編に分かれている。テーマごとに参考図書があるので、買いたくなるところをグッと堪えて読み終わるのを待ってみた...
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『ブッダという男 ー初期仏典を読みとく』(2023年)

清水俊史『ブッダという男 ー初期仏典を読みとく』ちくま新書、2023年、2024年第2刷『はじめての「生と死から学ぶ空海の思想」入門』の読書会で本書の存在を教えてもらった。すぐに買わないうちに時間は経っていった。清水俊史(としふみ)氏は論客...
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『苦悩の覇者天武天皇 専制君主と下級官僚』(2024)

虎尾達哉『苦悩の覇者天武天皇 専制君主と下級官僚』吉川弘文館、2024年虎尾達哉氏の『古代日本の官僚』(中公新書、2021年)を読んだ身としては下級官僚の話を期待して購入したところもある。働かない官僚を率いて律令国家の構築に邁進したであろう...
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『京町家歳時記 油商、四季と暮らす』(2024)

山中恵美子『京町家歳時記 油商、四季と暮らす』ミネルヴァ書房、2024年思えば、京都によく行っていたときは、西陣の油商の京まちや平安宮での同志社女子大学の公開講座や朧谷寿先生の歴史講座に顔を出したものだった。2008年5月にオープンしてから...
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『日本の道教遺跡を歩く』(2003)を再読する

福永光司・千田稔・高橋徹『日本の道教遺跡を歩く 陰陽道・修験道のルーツもここにあった』朝日新聞社、2023年以前読んだ時は、道教遺跡の信憑性に着目したので、肝心の陰陽道と修験道へのリンクを読み落としていた。吉野の宮滝から青根ヶ峰を見上げるこ...
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『一遍聖絵 聖戒編』(2000)

大橋俊雄校注『一遍聖絵 聖戒編』岩波文庫、2000年、2024年第12刷一遍聖の伝記を初めて読む。もっと早く読むべきだったと思う。もっとも、古文であるからそれなりの知識と経験が必要なのではある。最澄、空海、法然、親鸞と日蓮は少し読んできたが...
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『吾妻鏡 鎌倉幕府正史の虚実』(2024)

藪本勝治『吾妻鏡 鎌倉幕府正史の虚実』中公新書、2024年圧倒的な筆力である。『吾妻鏡』が後世の編纂物であり二次史料であることを改めて認識させられた。編年体で漢文で書かれたことで正史と錯覚していたのである。現代語訳で読んだ時は先祖がどのよう...
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『法隆寺を歩く』(2009)その2

上原和『法隆寺を歩くと』岩波新書、2009年著者85歳の法隆寺研究の集大成ともいうべき本であった。フェノロサが夢殿観音の厨子を開扉させたのがいつかを巡って資料の突き合わせがされていた。和辻哲郎がフェノロサの遺著の記憶違いをそのまま使って間違...
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『日本の美術484 祭礼図』(2006)

佐藤康宏『日本の美術484 祭礼図』至文堂、2006年風俗画を読み解く楽しみは伊原弘編『清明上河図』をよむ』(勉誠出版、2003年)から始まった気がする。東京国立博物館で特別展「北京故宮博物院200選」(2012年1月2日〜2月19日)に北...