太平記でも本地垂迹

読書時間

何げに兵藤裕己校注『太平記(二)』(岩波文庫、2014年)が転がっていたので手に取って読んでみた。第十巻で鎌倉幕府が滅亡するのである。新田義貞が太刀を龍神に献げる場面で、本地垂迹がその口から出てくるのである。太平記の表現は漢籍と日本神話である。『平家物語』の語り口とは随分と異なっている感じがする。

「義貞、馬より下り、甲を脱いで、海上の方を伏し拝み、龍神に向かって祈誓し給ひけるは、「伝え承る、日本開闢の主、伊勢天照大神は、本地を大日の尊像に隠し、垂迹を滄海の龍神に呈し給へり。(以下省略)」」(p.128)。

太平記(二)

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