『藤原行成』(1994年)

読書時間

黒板伸夫『藤原行成』吉川弘文館、1994年、2011年第2刷

いつだったか、倉本一宏『藤原行成「権記」全現代語訳(上) 』(講談社学術文庫、2011年)を読んでいたら、藤原行成を知るには黒板伸夫『藤原行成』(吉川弘文館、1994年)を読むとよいと倉本一宏氏が書いていたので、手にしたけれども、働き過ぎの男が子供を亡くした悲しい記憶しか残っていない。それではいけないと思い返して、また、手に取った次第である。

新装版の人物叢書は文字が大きくて読みやすい。いつでも読めると思っていたが、やはり読むとなると少し構えてしまう。

「行成の家系は当時の藤原氏主流である九条流の中でも、最も筋目正しい家系といえる」(P3)。「彼の祖父は、九条右大臣師輔(もろすけ)の長子で一条摂政とよばれた伊尹(これまさ)である。行成の父義孝はその息男である」(P3)という記述を読んでいくと、その通りだと納得するが、祖父伊尹の弟は兼通と兼家であるということから、藤原道長との関係も見えてくる。藤原行成は藤原氏の同族間の抗争の激しい時代に生を受けたのであった。父義孝の早世が藤原行成の人生を左右することになる。

しかし、こういうことをメモするのがブログの目的ではないが、藤原行成の家筋のよさを改めて確認した。

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