『信貴山縁起繪巻』(1957)

読書時間

藤田經世、秋山光和『信貴山縁起繪巻』東京大学出版会、1957年、2011年第2版第2刷

先頃、エルンスト・ハルニッシュフェガー、松本夏樹訳『バロックの神秘 タイナッハの教示画の世界像』(工作舎、1993年)について松本夏樹氏の話を聴いたというか見た。日本にも絵解きというものがあって、『信貴山縁起繪巻』が研究所にあるのを思い出した。引っ越す前のサントリー美術館で買った『国宝 信貴山縁起絵巻』の図録を読み解くために買ってあった。信貴山朝護孫子寺にも一度出向いたことがある。

本書は文化史懇談會で信貴山縁起繪巻の研究をした成果を二人の著者がまとめ上げたものである(P273)。前半と後半に分かれてている。目次を見るだけで明らかだが、藤田經世が漢字を使わな過ぎで読みにくい。ページが白っぽく感じるほどだ。

Ⅰ 繪巻をみながら 秋山光和

Ⅱ ものがたりのなりたち 藤田經世

文化史懇談会のメンバーは、中村義雄、鈴木敬三、杉山博、家永三郎、井上光貞、宮本常一、武者小路穰、多く者純夫、田中一松、熊谷宣夫、米澤嘉圃、福山敏男、石母田正、そして、藤田經世、秋山光和である。

2-53ページに「信貴山縁起繪巻」が掲載されているが、紙面の制約上見るに耐えるものではない。私はサントリー美術館の図録『国宝 信貴山縁起絵巻』(1999年)のカラーの図で満足している。

読んでいて、絵巻というものを色々と見てきたことが思い出された。「伴大納言絵巻」「鳥獣戯画甲巻」なども素晴らしい。その中でも面白さでは「信貴山縁起縁起」が最右翼だと思っている。

#絵巻 #信貴山

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