『さまよえる歌集 赤人の世界』(1974)その2

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梅原猛『さまよえる歌集 赤人の世界』集英社、1974年
万葉仮名版の赤人集が気に入って暫く遊んでから、梅原猛の本に戻った。山部赤人の50首のうち44首が取り上げられていた。
梅原猛は柿本人麻呂を『水底の歌』(1973)で論じた。万葉集については、『さまよえる歌集 赤人の世界』を書いた後、大伴旅人・山上憶良そして大伴家持を論じるはずであった。『すばる』第16号で大伴旅人・山上憶良を論じて始めて休載になってしまった。柿本人麻呂歌集を論じた『歌の復籍』(1979)を書いたが、万葉集論は構想通りに進まなかったようだ。『水底の歌』は柿本人麻呂の刑死説と柿本人麻呂=柿本佐留説は益田勝実氏の批判がある。刑死された人がそれほど早く復権するのかという批判はもっともであろう。通説もそれほど根拠のないことがわかったが、自説に説得力はない。

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