渡部昇一『発想法 リソースフル人間のすすめ』講談社現代新書、1981年、1991年第8刷
渡部昇一は知的生活を大いに楽しんだようだ。専門以外に多くの著作を残したが、書いたもののレベルは素人だけに突拍子もないものも多い。
発想法好きな私が『発想法』も当然カバーしたはずだと思っていたが、確たる記憶がない。となれば、面倒でも確認するのが私のやり方だ。新しいから良くなるものもあれば、劣化しているものもある。デザイン思考のワークショップで良いアイデアが出た試しがない。あれは合意形成のプロセスのような気がする。民主的なプロセスを踏んだからこれでよいというわけだ。それに対して「智謀如湧」と謳われた秋山真之中将などアイデアを出し続ける秘訣はどこにあったのか。やはり気になったのでAmazonでポチする。
2 発想の井戸を掘る
リソースフルなために、枯れない井戸を複数持つことが挙げられる。
坪内逍遙と森鴎外の「没理想論争」を例に挙げて、渡部昇一は森鴎外に軍配を上げる。このこころは、逍遙が英語しか出来なかったのに対し鴎外がドイツ語もできたことからリソースの種が尽きない鴎外が論争を続けていれば勝ったであろうと云う。
この後、谷崎潤一郎と江戸川乱歩が取り上げられる。
8 天からの発想・地からの発想
オカルトの話の後、仕事の世界と耳学問が取り上げられた。私にできそうなのは耳学問らしい。
渡部昇一がこの本で試みたのはリソースフルからみた人物論である。
リソースを複数もてというのはデザイン思考のフレームワークのようなもので、アイデアが出ることを保証するものではない。
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