根井雅弘『英語原典で読むシュンペーター』白水社、2021年
根井雅弘の第2章「静態」の世界を読む。
これはシュンペーターの「経済発展の理論』第1章「一定条件に制約された経済の循環」から抜粋している。英語だけ読んでいると何か特別なことを言っているようには読めないのだが、根井雅弘氏の解説で静態を論じる意味がわかる。
「「静態」に労働者と地主以外の経済主体がいないというのは「動態」においてのみ「企業家」と「資本家」が現れるというシュンペーター独自の考え方を際立たせるための工夫でもある」(p.49)。
54ページの注に出だしについてドイツ語の原文があり、英語と対比できるようになっている。このドイツ語を読むのは英語と日本語との対比でもある。ドイツ語の原文をGoogle に英訳させて英語どおしを比べてみたが、日本語訳が本質的な訳になっているのに比べて、単語を置き換えただけの機械翻訳は読んでも意味がとれない。
この調子で通勤時間に読むと3月も終わってしまうかもしれない。ゆっくり読む過程を記録するのはやはり難しい。経済理論を英語で読むだけの語彙に関するイメージが足らないようなので、以下の本を読んで日本語の語彙を見直してみたい。検索ではあるはずになっているが、どの箱に入っているのかしらん。
根井雅弘『経済学の歴史』講談社学術文庫、2005年、2018年第15刷
根井雅弘『経済学再入門』講談社学術文庫、2014年
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