根井雅弘『英語原典で読むシュンペーター』白水社、2021年
以前読んだ時は、英文を書き写して読んだりしたので、序章で挫折してしまった。たまたま、本が箱から出てきたので読んでみた。序章も、第1章 日本語版への序文もなんとか読める。この調子で、休みの日に読みたいものだ。英文を書き写したりしたので、単に夏で暑くて根気が続かなかったのか、根井雅弘氏の本を一度に3冊も買ったので後回しにしてしまったのかもはや定かではない。シュンペーターの人となりを知る上では根井雅弘氏の本は示唆的である。「若い頃の野心家としてのシュンペーターの側面」や「必ずしも評判のよくなかった人眼関係」が評伝によっては書かれていないという。谷沢永一を読むような楽しみがある。
第1章では、シュンペーターのドイツ語で書かれた『経済発展の理論』の日本語版の序文に英文が掲載されていたという。英文を読むとワルラスだけでなくマルクスが出てくるのである。
「シュンペーター自身が独自の経済発展のヴィジョンを形成しようとするときに、当初は気づかなかったとはいえ、「経済発展を経済体系そのものから生み出された独自の過程」として捉えたマルクスのヴィジョンから大いに学んだことは改めて強調しておかねばならない」(p.35)。
イノベーションにばかり注目していたので、景気循環の話であることを忘れていた。
しかし、三連休があるから読めるのかもしれない。対訳を確認しながら読むのは時間がかかるものだ。熱心にやったわけではないが単語帳のお陰もあるかもしれない。使わなければ語彙力は衰える。語彙はあればあるだけ読書によいと思う。なにしろ読書に割ける時間は限られているのだから、速く読めることに越したことはない。
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